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「四季報なしの株式投資」は、考えられない

ところで、投資に詳しい読者は、筆者に対して「あなたは、インデックス・ファンドを推しているのではなかったか?」と疑問を呈するかもしれない。

去る7月6日(土)にインデックス投資家の祭典とも呼ぶべき「インデックス投資ナイト」というイベントが都内であり、(毎年数分でチケットが完売する人気のイベントだ)、登壇した筆者は、「もしヤマザキさんが今の仕事を離れたら、自分の資産運用はどうしますか?」との質問に、「少なくとも国内株式は個別株でポートフォリオを作って運用します。これは私の老後の大きな楽しみの1つです」と答えた。

リスクが2倍なら、求めるべき超過リターンは4倍に

しかし、個人投資家にとって、個別株投資とインデックス投資の優劣は、現在悲しいくらいに明らかで、インデックス投資が勝る。理由はリスクにある。

例えば、2013年から2018年の月次の株価を使って、SONY1銘柄への投資と、TOPIX(東証株価指数)のインデックスファンドに対する投資双方のリスクを概算してみたら、前者が36.7%、後者が16.1%だった(共に年率リターンの標準偏差)。

SONYは時価総額が大きい割に値動きが賑やかな銘柄だが、上場株式の中にはもっと派手に動くものがたくさんあるので、個人が1銘柄だけで投資した場合のリスクの見当付けとして、そう大きく狂っていないだろう。

先に求めたリスクの数字をそれぞれ36%、16%に丸めて、期待リターンを5%として、「期待リターンから2標準偏差マイナス」で一応の「最悪のケース」での損失の目処を計算すると、SONY1銘柄だと67%、TOPIXだと27%となる。

最大の損失を100万円に抑えたい投資家の場合、SONYに投資できるのは149万円強である一方、TOPIXなら約370万円まで投資できる。目指すことができる収益に大差が付くことが、おわかりいただけるだろう。

なお、金融の世界では通常、分散(標準偏差の2乗)で評価したリスクに比例する超過リターン(無リスク金利に上乗せするリターン)が求められるので、リスクが2倍になると、求めるべき超過リターンは4倍になる。TOPIXに期待リターンが5%求められるとすると、この2倍のリスクがある銘柄には、20%もの期待リターンが求められることになる。

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