夏のボーナスが支給される時期が近づいてきた。前年に比べ、どのくらいの金額が増減したか、話題になることも多いだろう。では、少し長い目で5年間の給料の増減をみるとどうなるだろうか。
東洋経済オンラインでは、平均年収を増加させるとともに、従業員数も増やしている好調企業をピックアップ。平均年収を10万円以上増やし、従業員数を10人以上増やした企業を条件にランキングを作成した。ランキングは平均年収を増やした金額が多い企業から順に順位づけしている。
ランキングは、2013年2月期から2014年1月期と、2018年2月期~2019年1月期の有価証券報告書の従業員数の注記に記載されている値を用いて、この5年間の平均年収と従業員数の変化を比較している。
有価証券報告書の従業員数の注記には単体ベースの平均年収のみが記載されているため、すべての項目の基準を合わせるために、単体の値で調査した。
ホールディングス制へ移行したことで、単体の従業員数を大幅に減らし、年収が大幅に増えたケースがある。こうしたホールディングス制へ移行した企業は、年収・従業員数ともにブレが大きいため調査の対象外とした。
調査対象社数は2761社で、条件に該当した企業は全部で923社あった。この5年で100万円以上の給与を増やした企業は137社だった。
政府は、1人当たり平均給与等支給額(ボーナスや配偶者手当など含む「給与等支給総額」を従業員数で割った値)を大企業の場合は前年度比3%、中小企業の場合は同1.5%以上増加させた企業に対し税優遇を決めている。今回の調査は5年前比だが、上位企業はこうした賃上げ支援の波にうまく乗っている企業である可能性が高い。
今回も1位はキーエンスで大幅増
ランキングの1位はキーエンス。直近の平均年収は2088万円で、2013年3月期の実績と比較して767万円増加させた。従業員数は5年前から224人増加させ2253人、平均年齢は35.9歳と若い状態を保っているにもかかわらず、年収は大幅に上昇している。
2位はGCAで、直近の平均年収は2063万円と5年前と比べて732万円増加した。M&A助言を行う企業で、今年1月に配信した『最新!平均年収「全国トップ500社」ランキング』ように業種としても高給ぶりが目立つ。
ランキング上位では建設業の健闘は続いていることがわかる。上位20社のうち、建設業界が6社を占めた。6位の東急建設は東京都渋谷区に本社を置く東急グループの準大手ゼネコンだ。平均年収は5年前の659万円から944万円へと285万円増加した。この間に従業員数も134人増えるなど勢いを感じさせる。
東日本大震災からの復興事業やオリンピック景気に伴い、建設需要が高まってきたため、各社とも従業員を確保するために待遇改善を行ってきたことが大きい。
なお、上位100社にランクインした企業で、従業員数を最も増やした企業は日本航空で、2513人の従業員数を増加させた。平均年収は5年間で195万円増加した。
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