小学校受験対策「けん玉の攻防」が映し出す本質 試行錯誤で成功も失敗も経て内面の力を磨く
最後の1人になるまでけん玉を振り続ける子どもたち
神妙な面持ちの子どもたちがぞろぞろと入っていく。母親たちは皆が紺色のスーツを身にまとい、そわそわと落ち着かない様子で後に続いた。殺風景な一室はしんと静まり返り緊張感が漂っている。きれいに整列した子どもたちの手には、けん玉がぎゅっと握りしめられていた。
笛の合図が部屋中に鳴り響く。その瞬間20人の表情はキュッと引き締まり、けん玉を振り上げた。玉がストンと乗った者もいれば、宙ぶらりんの玉を揺らしている者もいる。玉が乗らなかった6人の子どもたちは、その場に座って体育座りをする。
2017年夏。とある区民センターで行われた「けん玉コンテスト」。これは、ある小学校受験のための個人教室が開催したものだ。玉が落ちた者は座り成功した者だけが立ち続け、最後の1人になるまでけん玉を振り続ける、生き残りをかけた戦いだ。


















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