吉本社長の「的外れ」会見が与えた強烈な不信感 松本人志の尽力も、加藤浩次の叫びも届かず
7月22日行われた吉本興業・岡本昭彦社長の会見をほんの数分でも見た人は、「この社長で大丈夫?」と思ったのではないでしょうか。
岡本社長の5時間31分間に渡る会見は、前代未聞の長さであったにも関わらず、結果的に吉本興業のイメージダウンは止まりませんでした。企業の不祥事では、「謝罪会見をネガティブの底にして、再浮上の第一歩にする」のが鉄則ですが、吉本興業の企業イメージはまだまだ下がり続けています。
会見の何が問題で、今後はどんな姿勢が求められているのでしょうか?
「冗談のつもり」というコメントへの失笑
会見冒頭、小林良太弁護士がメディアに配布した<時系列まとめ>という3枚の書面を事細かに説明。その後、岡本社長が世間の人々、詐欺被害者、ファン、宮迫博之さんと田村亮さんらに謝罪の言葉を述べ、深々と頭を下げました。
次に岡本社長は、「2人への処分を撤回したい」「ミーティングの席に立ってほしい」「いつの日か戻ってきてもらえるなら全力でサポートしたい」とコメント。その上で、“コンプライアンスの徹底”と“芸人・タレントファースト”の企業方針を宣言しました。
さらに、「自分の思いが本人たちに伝わっていなかった」「コミュニケーション不足だった」ことを反省点に挙げ、明石家さんまさんや松本人志さんと会話したエピソードを話したあと、「1年間50%の減棒」という自らへの処分を発表しました。
紙を読み上げながらの淡々とした語りは、事務的な印象を与え、多少の違和感こそ抱かせたものの、ここまで大きな問題はなし。しかし、記者たちとの質疑応答に入ると、「それらの言葉は嘘ではないか?」と首をひねらざるを得ない言動が相次いだのです。
真っ先に問題視されたのは、宮迫さんや亮さんらに言った「テープはとってないだろうな?」という言葉に対する「冗談のつもりで言ったらまったく受け入れられず、笑われることもなかった」という釈明。しかも、のらりくらりと言葉を重ねた上での釈明であり、その中には「そもそも彼らの『お金をもらってない』ということ(嘘)からはじまったこと」と2人を非難するフレーズが混じっていたのです。
なかでも「冗談」というフレーズは、見ている人の失笑を誘いました。もし本当に冗談だったとしても、岡本社長はふだん冗談のつもりで多くのパワハラをしているのではないか? 少し怒っているときはどれくらいの強い言葉が飛び出すのか? 「そんなつもりはなかった」とパワハラされる人の気持ちがわからないことは認めているだけに、世間の人々に「この人ならやりかねない」と思わせてしまったのです。
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