吉本社長の「的外れ」会見が与えた強烈な不信感

松本人志の尽力も、加藤浩次の叫びも届かず

もはや「これなら言わないほうがいい」というレベルであり、パワハラ疑惑の釈明としては0点以下のコメント。質問者のベテランリポーター・石川敏男さんが岡本社長の言葉を「ありがとうございました」とさえぎる形で打ち切ったことが、「ヤバさがわかったからもういいです」という本音を物語っていました。

「芸人ファースト」と言いつつ非難する矛盾

「俺には全員をクビにする力がある」というコメントへの釈明も同様。「僕自身はまったくそういうつもりはなかった」「父親が息子に『いいかげんにせい』と言うようなもの」と悪意を否定しつつ、やはりのらりくらりと言葉を連ね、ここでも「被害者に対する反省の気持ちが感じられなかった」などと2人を非難するフレーズを混ぜていました。

それどころか、「『クビにする力はあるぞ』というのは、僕は標準語で怒ることはありませんので、怒りながらはっきりと言えないと思います」という子どものような言い訳をしてしまったのです。

会見を見た人々をモヤモヤとした気持ちにさせたのは、「戻ってきてほしい」「芸人ファースト」と言いながら、一方で2人の言動を非難する岡本社長の矛盾。「不徳の致すところです」と言うだけで事実をはっきり認めず、「自らの非をはっきり認めた上で、釈明すべきところはする」という謝罪会見の基本ができていなかったのです。

会見には200人を超える報道陣が詰めかけた(撮影:大澤 誠)

もちろん宮迫さんたちの過ちが騒動の発端であり、「お前らが悪いことをしたのだから」という気持ちは理解できますが、だからといって「企業トップが会見で部下を非難する」という姿勢は疑問。企業トップなら「会社を守る」という姿勢を前面に出すべきであり、ましてや自らのパワハラを否定するために部下を非難しているようでは、資質を疑われても仕方がありません。

これを読んでいるビジネスパーソンの学びとしてぜひ書いておきたいのは、岡本社長が会見で見せた受け答えの是非。会見を生中継していた情報番組「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)のコメンテーターを務める吉本興業所属のトレンディエンジェル・斎藤司さんが、「長ったらしい」「イエス、ノーの札を最初に渡しておけばよかった」と酷評したように、反面教師にしたいものでした。

次ページ質問に対する回答をなかなか話さない
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