「韓国で長期合宿」を選ぶeスポーツ選手の現状 1日10時間以上練習し、外出はほとんどしない

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「チーム全員の3食分となると1日に3~4時間かかってしまいます。その分、選手には練習をしてほしいですね。あと、刃物をもって指をケガされるのも怖いので、私が担当するようにしました」(PONOSフチ監督)

「韓国に滞在してすぐに選手が風邪を引き、それがチームに蔓延しました。そのときは外食中心で野菜や果物を取れておらず、そこで自炊に切り替え、体調管理をするようにしました。それからは風邪も引かず、体調を崩す選手は出ていません」(GameWithゼロス監督)

唯一、日本から渡航しているFAV Gamingもチームメンバー4人中3人が、KENTSUMESHI選手の家に泊まり込み、合宿状態で過ごしており、1日中練習に励んでいるとのことです。

努力が実るとは限らない、厳しい世界

YouTuberも端から見たら遊びながら動画を撮影しているように思えますが、実際は1日の大半を企画構成、撮影、編集に充てており、結果が出る人はごく一部と厳しい世界であります。

同じくeスポーツ選手もゲームで遊んでいるだけで金が貰えるようなイメージを持っている人、たまたまゲームがうまいだけで稼いでしまっている人という印象を持たれている部分もありますが、これほどストイックに取り組んでいるのは、ほかのスポーツ、いや一般的な仕事と比較してもなかなかないのではないでしょうか。YouTuberの場合はいくら努力しても人気が出るとも限らず、プロゲーマーの場合はいくら努力しても結果が付いてくるとも限りません。

また、ハードな練習量、ストイックな取り組みが必ずしもよいかというのも多少疑問に残りましたが、プロとしての活動としては必要なのかもしれません。練習量がそのまま実力となるかは、まだ発展途上のeスポーツとしては未知数としか言いようがないですが、あまりにも練習漬けになっている様子を見て心配になるほどです。

リアルスポーツと違って、練習時間の制限が体力に影響されることが少ないと言われているeスポーツだけに、やろうとすれば際限なくできてしまう可能性はあります。練習時間だけが上達の拠り所となってしまうのは、いわゆる根性論につながりがちなので、早いところコーチングや効率的な練習方法の確立は必要と感じます。そのあたりはeスポーツが普及するにつれ、変化していくことだと思います。

ともかく、プロゲーマーはやはりアスリートと呼べるだけの練習量と取り組みがあるわけです。そういう取り組みが少しでもわかれば、プロゲーマーを見る目も少しは変わってくるのではないでしょうか。

岡安 学 デジタルライター

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おかやす まなぶ / Manabu Okayasu

eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、ウェブや雑誌、ムックなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)。@digiyas

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