マイクロソフトが「週休3日制」を導入するわけ 「ワークライフチョイス」の時代がやってきた

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その前提にあるのは、わが社の「ワークライフチョイス」という考え方だ。よく「ワークライフバランス」といわれるが、仕事と生活は本来、ただバランスをとればいいというものではなく、個々人の事情に応じて、そのバランスを社員が選択(チョイス)できたほうがいい。

岡部一志(おかべ かずし)/日本マイクロソフト業務執行役員コーポレートコミュニケーション本部本部長。1968年愛媛県生まれ。1991年慶應義塾大学卒業後、横河・ヒューレット・パッカード(現・日本ヒューレット・パッカード)入社。1999年日本マイクロソフト入社。一貫して広報畑を歩き、2016年より現職。(記者撮影)

働きたいときはとことん働けばいいし、家庭生活に時間を割きたいときはそうすればいい。それをもっと、一人ひとりの社員が自由に選択できるようにしたい。

その考え方を社内で浸透させようとしているが、まだ不十分だ。例えば、育児中の女性社員にヒアリングすると、社内保育所を設置するのもいいが、むしろ夕方に罪悪感を抱かないで子どもを迎えに行けるようにしてほしい、という声もあった。

フレキシブルに働きやすい制度を整備しても、社員一人ひとりが効率的な働き方を実践していないと、そうした職場風土は変わらない。ワークライフチョイスの考え方をもっと浸透させるためにも、週4日制を試験導入することで、社員の意識改革を一層図りたい。

会議時間は30分に半減、メンバーも5人以内に

――導入に向けての課題とは?

大きな課題は業務の効率化だ。社員からは「今でも忙しいのに、業務量が変わらないまま週4日勤務では、とても仕事をこなせない」といった不安の声が上がっている。そうした不安を解消するため、社内では3つの行動を推奨している。

1つは、会議時間を1時間から30分に短縮することだ。これまでの社内会議は、慣例で1時間に設定されていることが多かった。しかし、もっと効率化が可能だ。そのため、物事を決める必要がある場合は、30分以内に終えることを推奨している。

もう1つは、会議のメンバーを5人以内にすることも推奨する。参加人数が多いとどうしても時間が長くなる。なるべく5人以内にして、意思決定の時間をその分短くする。また会議の参加者はあらかじめ明確にする。「よろしければ参加ください」といった一斉メールを送り、任意での参加を促すことは極力避ける。

3つ目が、ミーティングはなるべくオンラインのコミュニケーションツールを利用すること。社内のコミュニケーションツールではチャットも利用しており、メールで求められるようなあいさつ文がないことも効率化につながっている。

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