40代から増える「もの忘れ」を軽視できない理由 10個の質問に答えるだけ「老化度テスト」付き

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男性ホルモンが減ると、いろいろな意欲が落ちるので、多方面に影響が出ます。性欲だけでなく、仕事を続けている人なら、仕事のうえでの意欲が減退します。出世欲などはだんだん消えていくのです。

異性に興味がなくなるだけでなく、「人間に興味がなくなる」というのは困りものです。近所づきあいも減るでしょう。40代を過ぎて人づきあいがおっくうになってきたら、それは男性ホルモン減少の影響かもしれません。

「予防と対策」はたくさんある

拙著『「脳が老化」する前に知っておきたいこと』では、感情老化、男性ホルモン、うつ病……などの状態を測るテストやチェックリストを紹介していますが、そういったツールを活用して、「心の老い」を自己分析し、現状を把握したら、「予防と対策」を考えます。

例えば、何らかの「ボケの兆候」が見られたとき。いちばんよくないのは、本人が「少しボケてきたみたいだから、外出を控えるか」と考えたり、家族など周囲の人が「道路は危ない。心配だから外に出ないほうがいい」といって家の中に閉じ込めることです。

『「脳が老化」する前に知っておきたいこと』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

もし、多少ボケてきた場合でも、あえて外に出させることが重要です。どんどん外に出して歩いたり、近所の人と話したり、活動したりして刺激を与えることが、ボケの進行を遅らせることにつながるからです。

もう1つ、「かくあるべし症候群」にも気をつけたいものです。「もういい年なのだから」とか、「この年齢の人は、こういう人間であるべきだ」「こういう人格であるべきだ」と型にはめて行動を縛ってしまうと、どうしてもストレスが生じます。

そんな無用なストレスを生じさせないためには、家族の理解が必要です。家族がそれを理解しないと、ボケ状態は静かに進行してしまうのです。

繰り返しますが、人は年齢を重ねれば脳の老化や萎縮は必ず生じます。85歳の方の40%は「認知症」の診断を受ける、という数字があるくらいですから、それに抵抗することはできません。自分もいつかはボケるのだな、と考えておくことが大切なのです。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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