「子どもが欲しい」50代初婚男性が直面する現実 誰もが年の差婚できるわけではない

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若い奥さんと子どもをまるでセットのように捉えていて、自分が育児に参加することを考えていない男性はとても多い。奥さんができたらご飯をつくってもらいたい。子どもを産んでほしい、育ててほしい、そういう“ドリーム”しか考えていないんです。

誤解を恐れずに言いますが、本当に子どもを育てたければ、乳児院にいる子を養子縁組して夫婦で育てることも選択肢としてあるのではないでしょうか。血がつながっていなくても愛情をかけて育てることは尊いことです。「子どもが欲しい」という気持ちを「子どもを育てて社会貢献したい」に変えてみてはどうでしょうか。そう提案しても、残念ながら受け入れる人はほぼいないのが現実ですが……。

「奥さん」というより「長女」

50代で子どもを持つことには経済的な負担も大きい。晩婚で子どもを産んだ人のその後を考えたことはありますか。ある晩婚夫婦は、夫の年収は450万円、妻の年収は100万円でした。加えて、不妊治療を始めて2人の貯金1000万円を使い果たしてしまった。

子どもを授かった後の学費、自分たちの老後の資金などは考えていない。初婚のせいか、50代でも気持ちは20代。結婚したから子ども、という目先の幸せしか考えていないのです。

仮に、無事に子どもを授かりしっかり育て上げたとしましょう。それでめでたし、ではありません。その先に年の差婚の過酷な末路の可能性を想像したことはあるでしょうか。奥さんはある程度子育てが終わってもまだ40~50代。男性は70~80代です。

奥さんにしてみればもう子育てにお金は必要ない。離婚して自由になりたい、あるいはもう1回結婚したいと考える女性もいるのです。「奥さんに介護をしてもらおう」なんて考えは持つべきではありません。

30代と結婚したある50代男性には、「奥さんを奥さんだと思わないでね、長女だと思ってね」と伝えました。奥さんに甘えるのではなく甘えさせてあげる、その感覚がないと年の差婚は難しい。仕事をしている女性であれば、駅まで車で送り迎え。そうして娘のように愛情たっぷりに尽くしてあげなければ、将来どうなるかわかりません。

それでも、どうしても若い女性と結婚して子どもが欲しいですか?

植草 美幸 恋愛・婚活アドバイザー、結婚相談所マリーミー代表

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うえくさ みゆき / Miyuki Uekusa

1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを設立。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。結婚相談業のほか、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など、アラサー・アラフォー男女を「幸せな結婚」に導くために幅広く活動中。『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『「良縁をつかむ人」だけが大切にしていること』(諏内えみさんとの共著、青春出版社)、『結婚の技術 (中央公論新社)、『モテ理論』(PHP文庫)など。

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