韓国留学バブル崩壊! ニッポンの若者よ、留学するなら今がチャンス《若手記者・スタンフォード留学記25》
アメリカ移民・税関執行局によると、2008年末時点で、韓国人学生の数は全米で約11万人に上り、留学生に占めるシェアは15.2%でトップです。今や、韓国人家庭が子供を海外で勉強させるための出費は年間約50億ドルに達し、その金額は政府の教育支出の20%にも上るそうです。("Plunging currency may keep South Korean students at home", International Herald Tribune, November 10th, 2008)
一方、「日本人学生はすぐ日本人同士でつるむ」と日本でよく言われますが、スタンフォードに来て以来、つるんでいる日本人に会ったことがありません。それは、日本人が成熟したからというより、つるもうと思っても、日本人が少なくなって、つるめないからでしょう(笑)。
その意味で、ある国籍の学生の数が多いと、キャンパスでの影響力は増えるでしょうが(たとえば、スタンフォードにおける韓国関連の授業や講演の数は、世界におけるウェイトに比べて高すぎるように感じます)、それが自分の国の好印象につながるかどうかは、別の問題でしょう。
一方、個人として見ると、日本人留学バブルが崩壊した今の状況は、悪くありません。日本人がまばらなので、ベタベタすることもなく、ドライなわけでもなく、ちょうど良い距離感で日本人同士が付き合えるという環境です。久々に再会すると、つい話し込んでしまったりします。
いわゆる「私は英語を勉強するために来たから、日本人とは付き合わない」というのは偏狭な考え方で、留学は、”日本人同士”という点でも貴重な出会いの場です。私の場合、日本では全く付き合いのない、「官僚」、「技術者」の方々との交流が新鮮でした。改めて、「自分がいかに偏った人脈と価値観で生きているか」も認識することができました。
ウォン安と借金地獄に苦しむ韓国
しかしながら、こうして異常に膨らんだ韓国留学バブルも終焉を迎えようとしています。
日本の経済事情もひどいですが、韓国はそれに拍車をかけてひどい。輸出の激減に、ウォン急落、不動産バブル崩壊が重なり、経済はボロボロ。その上、韓国の家計はアメリカ以上に借金まみれで、韓国における家計の負債比率は、なんと、可処分所得の150%に上ります。("Troubled Tiger"The Economist, January 29th)。この借金漬けという構造は、アジアでは韓国だけに見られる現象です。
この経済危機は、アメリカの韓国人学生を直撃しています。ウォンは対ドルレートが1年前に比べ、ほぼ半値に落ちていますから、学費は倍です。
スタンフォードからドル建てで奨学金を得ている学生はともかく、韓国から送金を受けている学生は家計が火の車です。友人の一人は、ウォン建てで政府から支援を受けているうえ、ソウルに保有しているマンションが値崩れを起こして、大変そうです(と言いつつ、借金して、旅行や買い物を楽しんだりしていますから、ここら辺のメンタリティーは随分日本人と違います)。
クラスメイトの韓国人も、「韓国人の教育熱はクレイジーだ」と言っていましたが、その熱も少しは収まらざるを得ないでしょう。借金してまで、子供の教育費を賄うのは、美徳でもありますが、物事には限度があります。
今後少なくとも数年は、経済の立て直しにてこずるでしょうから、今までのような高水準の留学生数は保てないでしょう。ニューヨークタイムズの記事も以下のような専門家のコメントを引用しています。