「とんでもない難題」を乗り切る人の頭の使い方 スタンフォード大の「思考力」の鍛え方
当たり前すぎることを言うようで恐縮ですが、なぜ「問題」が「問題」として認識されるかというと、解決していないからです。なぜ解決していないかというと、たいてい、既存のやり方でうまくいかなかったからです。既存のやり方では解決しないのなら、既存じゃないやり方を探すしかありません。
問題というものは解決されてしまうと、いとも簡単に思えるものです。「卵をテーブルの上に立てるなんて無理」という人たちの前で卵の底をつぶして立ててみせた……というコロンブスの話は有名ですが、私たちはなぜ、誰かに教わるまで「いとも簡単な」解決法に気づけないのでしょうか。
自分の思い込みを疑う
それは、1つには、思い込みのせいです。卵を立てられなかった人たちは、誰に頼まれたわけでもないのに「卵をつぶすなんてナシ」と思い込んでいたのだと思います。そして、多くの場合、私たちは自分の思い込みに気づけません。
「ナシ」と思っていることにあえて目を向けて「もしもこれが実現可能だったとしたら……」と考え、自分の思い込みを疑ってみる。これができないと、問題を解決できる「既存じゃないやり方」など見つかりません。
「寝るのが仕事」の問題は、ナシと思っていることをアリに昇格させるための考え方を鍛えるためのものです。これができれば、柔軟な問題解決力が身につきます。
では、早速考えてみましょう。
「寝るのが仕事」の問題を解くということは、「寝る」ことのメリットを考えるということです。仕事にするのですから、「寝る」からこその利点を考え出したいですね。
具体的なものとしては、次のような考え方でしょうか。
② 寝ることが生み出せるものから考える
① 寝ることなしには生まれない商品などから考える
「寝るのが仕事」は言い換えると、寝るという行為が不可欠な仕事、ということです。
「寝ることが不可欠な仕事には何がある?」と考えてすぐ答えが出てくればOKですが、難しいと感じる場合、あるいは、もっと発想を広げたい場合は考え方を変えてみます。
仕事の先にはたいてい、商品・サービス・システムなどが生み出されるという前提のもと、「寝ることなしには生まれない商品などには何があるか」と考えます。誰かが寝てみないとその良しあしや改善点がわからない商品やサービス……どんなものが思いつきますか。
「寝る」ことに直結するもの、寝るという行為を左右するもの――寝具、就寝時の紙オムツ、安眠グッズなどでしょうか。「寝具の寝心地を審査する、寝具開発員」や「紙オムツや安眠グッズのモニター」「カプセルホテルでの寝心地をよりよくするための研究」なんて仕事もできそうです。「安眠グッズ」をさらに推し進めれば、「床ずれを軽減するグッズ開発」などというアイデアも生まれそうですね。
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