「とんでもない難題」を乗り切る人の頭の使い方 スタンフォード大の「思考力」の鍛え方
今後、必要な思考力とは何でしょうか? 結論からいえば、「人間としての」スキルアップ、「自分にしか」できないこと、という点が非常に大事です。
日本ではとくに戦後、どんな問題にも正解があるとする、いわゆる正解主義を重視する傾向がありました。学校だけでなく、社会でもビジネスでも「模範解答集」があるはずだと信じ、そこに載っているであろう「正解」を確実にたたき出すことがよしとされてきました。皆と同じ答えを出せる人が「優秀」と思われてきたのです。
でも、これからは「答えのない時代」です。AIなどにも代替されない、オリジナルな答えを出せる人こそが「優秀な人」といわれる時代がもうそこまで来ています。
では、オリジナルな答えを出す力を磨くには、どのようなトレーニングをすればよいでしょうか? 私は小学生から大人まで、クリティカル・シンキングや発想力、思考力の講義をしていますが、そこから例として出題いたします。
最悪なアイデアを最高のアイデアに変える問題
Q:「炭酸飲料が必ず振られた状態で出てくる、自動販売機」をすばらしいビジネスプランに変えてください。
スタンフォード大では、学生に最良の解決案と最悪の解決案を紙に書いて提出させ、最良のものは目の前で破いてしまうそうです。人が普通「最良」と考える解決案は手垢のついたアイデアであることも多く、たかが知れているということですね。
一方、最悪の解決案として提出されたものは別の学生に渡して、どうにかしてすばらしい案に変えさせるのですが、ここからとてつもなくユニークな解決案が生まれるそうです。私も大学生たちに同じような課題を出しますが、「ナシ」なプランは着眼点が違うことも多く、実におもしろいアイデアを生み出してくれます。
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