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横須賀の海軍カレーが「認知度1位」になるまで 明治時代のレシピを再現し、今年で20周年

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  • 森川 天喜 旅行・鉄道作家、ジャーナリスト
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3つ目は行政のバックアップがしっかりしており、カレーフェスだけでなく、カレー普及のためのシンポジウムを開催するなど、アイデアを出し、積極的に動いたことが挙げられる。

そして、4つ目は「レシピそのままではなく、応用することで普及した」(島森さん)というように、厳しいレギュレーションを設けなかったのもよかったのではないか。

事業開始当時、島森さんは『海軍割烹術参考書』を見ながら海軍カレーを復元しようとした。ところが、「野菜を賽の目のように細かく切ったら、煮ているうちに溶けてしまった。これじゃだめだということで、普及にあたっては各店舗に野菜は大きくても構わないなど、オリジナリティーを発揮してもらうようにした」(島森さん)。

今となっては、店ごとに個性的なカレーを提供しているのが、よこすか海軍カレーの魅力になっている。厳しいレギュレーションを課していたなら、ここまで普及が進まなかったのではないかと島森さんは言う。

「カレーの街らしさ」が足りない

最後に島森さんに、今後やりたいことを聞いてみた。

「ウッドアイランド」では、旧海軍が設計したというカレー専用のスプーンも販売している(筆者撮影)

「横須賀はカレーの街なのに、わかりやすさが足りない。例えば、宇都宮に行けば、駅の周辺に餃子店がいっぱいあり、餃子の像が立っている。

一方、横須賀はよそから来た人に、どこがカレーの街なのと聞かれたことがある。横須賀中央駅周辺にお店を一覧で見られるインフォメーションボードを作るなどすれば親切だ。さらに言えば、京急さんは最近、駅名変更に積極的だ。横須賀中央駅をもっと人を引きつける駅名に変更してもらうよう打診してみてもいいかもしれない」(島森さん)

気になるのは、全国どこでも同じ悩みを抱えていることだと思うが、横須賀の飲食店も後継者問題が浮上している。島森さんのウッドアイランドも、じつは後継者が決まっていない。「まあ、うちの娘の相手次第でしょう」と言う島森さんの顔は、少し寂しそうに見えた。

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