マツダは、なぜ「似通った車」を造り続けるのか MAZDA3やCX-30など、外観が似ている理由とは
スバルも以前から、同じような方法を採用してきた。エンジンは水平対向で、駆動方式は4WDが中心になる。プラットフォームの種類も少ない。スバルは規模の小さなメーカーだが、個性的な機能を集中して採用することにより、高機能で上質なクルマを開発している。
絞り込んだクルマ造りは、マツダの車種構成にも当てはまる。ミニバンや背の高いコンパクトカーは、重心も高まってマツダの求める走行安定性と運転感覚を実現しにくいため、廃止された。今は天井の低いハッチバックやセダンが中心で、少し背が高くてもSUVにとどまる。
このボディタイプの削減は、マツダ車の個性を際立たせる一方で、解決すべき課題も生み出した。先に述べたように、どのマツダ車も同じように見えて、ユーザーの選択肢を減らしていることだ。
ミニバンユーザーの乗り換えが困難に
またプレマシー、ビアンテ、MPVという生産を終えたマツダのミニバンは、今でも相応に保有されている。このユーザーが乗り替える車種を見つけられず、行き場を失ってしまった。
メーカーはSUVのCX-8が3列シートを備えるため、ミニバンユーザーの乗り替えを期待したが、実際は難しい。CX-8は全長が4900mmと大柄で、プレマシーやビアンテに比べて取りまわし性が悪いからだ。
CX-8は価格も高く、2.5Lのノーマルエンジンを搭載する中級の25Sプロアクティブでも325万6200円に達する。上級グレードは400万円前後だ。かつてのプレマシーは値引きも大きく、実質160~180万円で売られていたから、CX-8に乗り替えてもらうのは無理が伴う。
販売店でも「プレマシーなどのミニバンを使うお客様は、乗り替える車種がなくて困っている。車検を取って乗り続けるお客様も多いが、今では最終型のプレマシーが発売されてから9年が経過した。部品の交換が増えたりすると、他メーカーのミニバンに乗り替えてしまう。そうなると車検やメンテナンス、保険などの仕事まで失う」と困惑している。
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