「60歳の定年Hanako」が失う「3つの大切なもの」 「職場を去る」ときまでに気をつけておくこと

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職場を去ることになれば、何が失われるのか。収入は当然として、意外なものまで奪われてしまう(写真: Komaer/PIXTA)

前回のコラム「『Hanako世代』の定年後がかなり憂鬱な理由」では「男性脳&会社脳」を持つサラリーマン女性は、定年後も「働く場」に居場所を求めるほうが心地よさそうだとお話ししました。折しも人手不足、さらに政府は意欲や能力に応じて70歳まで働ける機会を確保できるよう動き出していますから、定年後も長く働き続けようと思う方にとっては非常によい環境になりつつあるといえます。

定年後も働く、いわゆる生涯現役というと、朝から晩まで強いプレッシャーの下で働くイメージがあり、現役サラリーマンには抵抗感もあると思います。しかしながら、いったん仕事を離れてみると、その喪失感は大きいものです。

雑誌『Hanako』が創刊(1988年)されたころに就職し、いま定年を迎えようとしている女性たちについて、第1回では、会社を辞めて自分の価値を見失い、孤独に陥る、やや感傷的な精神面について書きました。しかし、実はそれ以外にも「職場を去る」ということは、非常に大きな、仕事をするうえでも重要な3つのものを失うことにつながります。

能力や長所短所を知り尽くしている人がいなくなる

1つは「職場の人たち」です。彼らは仕事を通じ、あなたの能力と長所短所をよく知っています。お互いにそれを知ったうえで、効率的に、すなわちその業務においてコストパフォーマンスが高くなるように仕事を回し合いながら、仕事をしてきたはずです。

その際、あなたに業務を振り分けるのは、業績評定をしている上司であり、新たな業務や相談事を持ち込んでくるのは、かつて一緒に働いた他部署の仲間たちです。あなたが能力を発揮できる業務や分野を知っているのは、ある意味、自分自身以上に職場の方たちなのです。職場を去ってしまえば、それを失うことになります。

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