「坊主丸儲け」とはいかない住職の厳しい懐事情 収入は不安定な上に福利厚生も皆無だ
「安定とは無縁」の住職という仕事
うちは檀家さん(寺を支援する家のこと)が250軒ほどあるのですが、これが多いかと言われると少し微妙なところでして。坊さん界隈では、首都圏で300軒あれば、副業を持たずに専業で食べていけると言いますが、地方の200軒くらいだとちょっと働きにでないと厳しい数字だといえます。嫁さん子どもを養おうと考えるなら尚更ですね。
地方の250軒というのが絶妙で、1人でやって行けなくはないんだけれども、嫁さんと子どもを抱えるのは厳しいかなと。1人でも余裕があるわけではないし……という感じでしょうか。
葬儀や法事の頻度ですが、葬儀は年間で(250軒に)×0.03くらいですかね。法事の件数だと250軒の3割くらい、年間に70軒くらいが法事を入れてきたりします。一方で、お葬式は結構変動します。葬式の「そ」の字も聞かないような年もあれば、遠方の家から寺に向かって順番に人が亡くなるような年もある。住職というのは業務量がまったく安定しない職業なのです。
このような状況が続いてまいりますと、はっきり言ってキャパオーバーになってしまうことも少なくありません。住職が倒れてしまえば元も子もないわけですから、檀家総代や結集寺院と協力し合いないがらさまざまな業務を進めていかなければいけません。
ただ、総代さんとのやり取りもそれなりの仕事といえる量がありまして、総代会議と言って、自分のお寺の年間予算や定例の行事をどうするかという会議をしなければいけませんし、支所で催し物をするときはその会議もしなければいけません。
また、それとは別に支所で青年会に入っていれば(というか半強制的に入ることになります)そちらの行事に関する会議や予算の割り当てだとか、具体的に誰が人を出すかという話まですることになります。
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