「坊主丸儲け」とはいかない住職の厳しい懐事情 収入は不安定な上に福利厚生も皆無だ
自分のお寺は自分1人しかいませんから、全部に参加しなければいけないわけですが、さすがにやり切れない支所活動は断ることもあります。これが逆に、奥さんや子どももいる場合ですと「お前出られるやろ」といった感じでいろんな役職仕事が回ってきてしまうことが多いので大変です。
とかくキャパオーバーになりがちなのが住職という職業なので、檀家総代や結集寺院、家族がいれば奥さんや両親と協力しながら進めていくことが極めて大切になってきます。
住職の大半は「ブラック」
さて、それなりに忙しい職業である住職ですが、実は社会保障は国民健康保険しかなく、特別な措置もありません。家族を抱えている人は家族を職員とみなして厚生年金に入ったりするところもありますが、住職1人だけではとても払いきれないと思います。
端的に言って、大半の住職はひどくブラックな職業だといえるでしょう。年収500万円以下ならば、正直、福利厚生は中堅のメーカーとかのほうが全然いいのかもしれません。お通夜、葬式、法事での収入は不安定なうえに住職の福利厚生はないに等しいので、なかなかに厳しいものがあります。
それこそ事故にあって歩けなくなったり、喉が潰れてしまったりしても何の保証もなく追い出されます。息子さんのいるお寺であってもこれは同じで、継がせないのならばたたき出すぞという。檀家さんによっても違いますけど、こういう脅し文句は常套句でした。
さてここで質問です。檀家さんの年会費はいくらくらいでしょう?世の中には「坊主丸儲け」という言葉もございますが、実際の年会費は別に高くも安くもなく、大体年間で5000円から1万円程度が相場になっています。
では住職は檀家さんからお金を集めて何に使っているのでしょうか。まず、お寺は火災保険に入る必要があります。お寺という場所があるということが重要ですから、火事になって建て直せないようでは住職が困るだけではなく、檀家さんも困ってしまいます。後は本堂の電気代やガス代、線香やローソクなどの消耗品、所属宗派への看板代である宗費を払ったらカツカツで、住職が自由に使えるお金ではありません。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら