堀江貴文「僕が過去に失って唯一後悔したもの」 プライドと思い上がりを捨て、人に任せろ
人の手を借りられないという人には、2パターンある。ひとつは自分でやった方がうまくいくと思いこんでいる人、もうひとつは他人と手柄をシェアしたくない欲張りだ。どちらも間違ったこだわりだ。
自分より仕事をうまくやれる人は、いくらでもいる。すべて自分の判断が一番正しいなんて考えている人間もよく目にするが、思い上がりもいいところだ。それに、手柄は分け合ってこそ、大きな評価を得られる。
ひとりで何でもやろうとしてはいけない。お金を効果的に用い、優れた人を使う選択を持ってほしい。
協調性が大事だと言っているわけではない。やりたいことをよりスムーズに、大きなレベルで進めていくには、人を使うスキルが高い方が効率的ということだ。
上手く回っている限りは、任せた仕事に口出ししない
僕が最初に起業したときは、日本のWebプログラミングのパイオニアだった小飼弾 (こがいだん)さんほか、IT界のカリスマ的な人材を、何人も会社に招聘した。彼らに認められたい、若くて有望な技術者たちが集まり、事業は急速に拡大した。
優れたメンバーが集まったお陰で、僕がやっていた大半の雑務を任せられた。好調な部門には、ほとんど口出ししなかった。
出したとしても、その部門のつくるサービスのヘビーユーザーになった視点で「もっとこうしたら?」という、具体的なアイディアが出せる。いい意味で、距離を取っているからだ。客観的な改善点を察知する意味でも、人に任せることは大事だ。
人を使うときは、要所だけ決めて、変にならない限り干渉せず、丸投げに徹する。それがうまく回っていけば、いい人材によって、自然に仕事の質は上がる。自分のやりたいことをやれる時間と機会が、加速度的に増えていくのだ。
ライブドア事件後、せっかく集めた技術者チームが使えなくなったのは、苦い思い出だ。創業から会社が有名になるまで、彼らを獲得する行程が最も大変だった。僕の思い描く事業を、最速で形にしてくれる素晴らしい人材が集まっていたのに……。
あのメンバーの多くがLINEに行った。爆発的に普及する、強いサービスになるはずだ。現代の通信手段の覇権を、ほぼ獲ってしまったと言える。
やはり優秀な人は、大きな財産だ。僕が過去に失って唯一、後悔したものかもしれない。
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