──文系理系問題もありますね。
文系理系は以前からありますが、戦後は国の復興を目指し、文理問わず高レベルの数学教育がなされました。高度経済成長を達成するとそれが緩んできた。理系教員の中には、数学は理系進学者が学べばいい、数学嫌いは相手にしなくていいと考えている人もいる。
それでも国立文系はセンター試験があるので数学を勉強するが、私立文系は数学不要って話になってしまった。バカ言っちゃいけない。グローバル化した今日、議論のポイントは客観的な数字です。数字で考え、分析するときに、文系理系はありません。『源氏物語』の研究にも数学的手法が用いられていますし、心理学では実験データによって推論の有意性が評価されるため、統計数学の知識が必要です。
数学の面白さは「わかった」にある
──事ここに至り、どうします?
数学教育で痛めつけられた人たちに、「わかる」「理解する」がどういうことかを伝えないといけない。公式や裏技を暗記して答えを当てる勉強が面白いわけがない。数学の面白さは、定理の証明や応用、それらが「わかった!」。去年、基礎的な授業で「%」の根本を丁寧に教えたら、女子学生が突然跳び上がりました。それまであやふやだったのが「わかった」んです。数学の面白さはこれです。
この記事は有料会員限定です
残り 1623文字
