上司vs.若者「メール送った」と言うのは必要か 若者の「積もる不満」を上司が気づかない理由

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若者は言われたことしかやらない、といった意見は本当に多くのオトナから聞きます。しかし私がインタビューした若者たちは、意外と「とりあえずやってみてと任されるほうが、やりがいを感じる」とも言います。女子大生のIさん(20歳)はこんなふうに話していました。

「仕事を投げられるのは、すごい好きかも。とりあえずやってみろ、みたいな。そういうふうに言われると、とりあえず自分の裁量でやってみます。それでダメだったら戻してくれれば、という感じがいいです。逆に、全部手順が決まっているとやる気がでない。宅配チェーン店のバイトは、マニュアルどおりの作業しかなくて、つまらなくて辞めました」

自分で考えるのはいいけど、結局答えが決まっているなら、考えるだけ無駄。自分の考えた結果が成果物にちゃんとつながるなら意味がある。おそらく、そんなところが若者にとっての線引きなのです。

若者の「心の中」を読み解くキーワード

若者の「典型的な不満ポイント」について見てきましたが、今度はマネジメント層の悩みについて考えてみましょう。何人かのマネジメント層に「若者の何にいちばん悩んでいるのか」と聞いてみたら、こんな回答に多くの票が集まりました。

「めちゃめちゃ気を使わないといけないのが、いちばんしんどい」

立場が上のはずのオトナが若者に気を使わないといけないという、妙な逆転現象が起こっているのです。若者がなぜ不満をためるのか、どうすればやる気になってくれるのか、上司に何を求めているのか。そんな心の中が見えずに悶々としていては、ストレスがたまる一方です。

若者の心の中は、彼らが住む「SNS村社会」を読み解いていくことで見えてきます。彼らは早くからスマホを手に、SNSの中で人間関係を築き、SNS的なコミュニケーションを身に付けてきました。その特性は大きく5つに分類されます。

「過剰忖度」
「相対的自意識」
「ヨコ社会」
「イミづけ」
「時間価値」

この5つの特性ごとに若者の考え方や価値観を深掘りし、20のキーワードに整理しました。これらを職場の若者に当てはめてみると、「もしかしてアイツはこんなことを思っているのかも」というヒントが見えてくるはずです。ここではそのうちの3つを抜粋して紹介しましょう。

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