上司vs.若者「メール送った」と言うのは必要か 若者の「積もる不満」を上司が気づかない理由
中堅食品会社の商品開発部。商品開発部は花形部署であり、いくつかのチームがそれぞれ新商品の開発を巡りしのぎを削っている。「女性に喜ばれる商品開発」を担うチームでリーダーを務めている木村係長(女性・40歳)の下には、新しく配属になった新人の藤原さん(女性・22歳)がいる。まじめな子なのだが、すぐに答えをほしがるのがイマドキだ。
私たちの頃は…
「私たちの頃は、すっごい厳しかったんだから」
ことあるごとに、つい口にしてしまう。今ほど丁寧に仕事を教えてくれることはなかったし、先輩のやり方を見て盗んでいくのが当然。その姿勢が今の若手には足りないのではないかと悩んでいる。
先日も、ある案件の市場調査を藤原さんに頼んだら、予想どおりの答えが返ってきた。
藤原:「市場調査って初めてなんですけど、どういうデータを調べたらいいんですか?」
木村:「うーん、藤原さんが必要だと思うデータでいいよ。まずは自分で考えてみてよ」
藤原:「え、ああ、はい……。そしたら、過去に作った調査書類のテンプレみたいなの、どこかにないですか?」
木村:「あると思うけど、別に形が重要なわけじゃないから、まずは簡単にでも自分で作ってみてほしいの」
またこの問答か。以前にも社内資料のテンプレをほしがったので渡したら、肝心な人の名前を直し忘れていたことがある。もうちょっと考える習慣を身に付けてほしいんだけど……。
この木村係長の気持ちは、よくわかる人が多いのではないでしょうか。
最近の若い子って、とにかく答えを知りたがる。私からすれば「わからないので教えてください」なんて、恥ずかしいくらいだ。むしろ言われたこと以上のことをなんとか返して、それで認めてもらいたいって気持ちのほうが強かったけど。
答えがあるなら、まずそれを参考にするほうが無駄がなくていいと思うんだけど。考えて出したこともあるけど、結局いろいろ直されて木村係長の答えになったじゃない。その間の私の時間と手間ってなんなの?
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