人類は「破壊」でしか平等化できないのか

「戦争・革命・崩壊・疫病」の凄まじい衝撃

四騎士は、時には1人ずつ、時には互いに手を組んで行動し、同時代の人々にとってはこの世の終わりとしか言えないような結果をもたらした。彼らが現れた後、何億もの人々が非業の死を遂げた。混乱が収まるころには、持てる者と持たざる者の格差は縮んでいた──時には劇的に 。

第一の騎士:2度の世界大戦

不平等を絶えず抑制してきたのは、特定のタイプの暴力に限られる。大半の戦争は資源の分配に対して一貫性ある影響をいっさい与えなかった。

つまり、征服や略奪を目的とする旧態依然の争いにおいては、勝者側のエリートは裕福になり、敗者側のエリートは貧窮した可能性が高かったものの、はっきりしない結末に終わった場合はその帰結を予想するのは難しかった。

戦争によって所得と富の格差が是正されるためには、戦争が社会全体に浸透し、たいていは現代の国民国家でしか実現しない規模で人員と資源が動員される必要があった。2度の世界大戦が史上最大の平等化装置の例となったことも、これで説明がつく。

産業的規模の戦争による物理的な破壊、没収的な課税、政府による経済への介入、インフレ、物品と資本の世界的な流れの遮断、その他さまざまな要因がすべて結びつくことによって、エリートの富は消え去り、資源は再分配された。

これらの要因はまた類を見ないほど強力な触媒として機能し、平等化を進める政策転換を引き起こした。つまり、権利の拡大、労働組合の結成、社会保障制度の拡大などへ向けた力強い推進力を生み出したのだ。

世界大戦の衝撃はいわゆる「大圧縮」をもたらし、あらゆる先進国で所得と富の不平等が大きく減少した。それは主として1914~1945年に集中的に起こったのだが、プロセス全体が完了するにはさらに数十年を要するのが普通だった。

より以前の大量動員戦争では、同じような影響が広がることはなかった。ナポレオン時代の戦争やアメリカの南北戦争による分配に関する帰結は多様だし、時代をさかのぼるほど関連証拠は少なくなる。

アテナイとスパルタに代表される古代ギリシャの都市国家の文化は、民衆の熱心な軍事動員と平等主義的制度がどれだけあれば物質的不平等が抑制されるかを示す最古の例を、間違いなく提供してくれる──その成功がたとえ部分的なものだとしても。

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