AIでアメリカ株が暴落する可能性が出てきた? 円高・日本株の下落も同時に進行するのか
アメリカ株の代表的な株価指数であるNYダウは、5月31日(金)に心理的節目の2万5000ドルを割り込んだ。また、日本の代表的な株価指数である日経平均株価も、「下値支持帯」と見られていた2万1000円ラインを割り込んだ。為替は1ドル=108円台に入る(執筆時、日本時間6月4日には107円台をつけた)など、先行き不透明感が強まっている。こうした不安定な相場環境で、最新のAI(人工知能)は、市場の何を見て投資判断をする可能性があるのか、探ってみた。
米株安・円高・日本株安の背景は?
現在の不安定な値動きの原因は、ドナルド・トランプ大統領が打ち出した政策によってグローバル景気の減速懸念が強まったことだ。これがアメリカ株、為替相場、日本株に暗い影を落としている。5月以降、米トランプ政権は中国への制裁関税の第4弾として約3000億ドル分の同国製品に最大25%の関税を課す計画を表明。その後、中国の通信機器大手ファーウェイへの米製品の実質的な輸出禁止措置も打ち出した。しかも、5月30日にはメキシコからの輸入品すべてに5%の追加関税をかけると発表(今後の対応次第で最大25%までの引き上げも)したことなどが、市場の不透明感を強めることとなった。
一方、中国景気を見ると、5月の同国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が景況感の節目である50を下回った(49.4)。これで投資家の間では先行きのグローバル景気の減速リスクが意識される形となった。また中国政府がアメリカの制裁関税に対する報復措置をとる形で液化天然ガス(LNG)など米600億ドル分のアメリカ製品への追加関税を最大25%に引き上げたことに加え、アメリカのEL(エンティティ・リスト)に対抗し、「信頼できない企業」という独自のブラックリストを作成するとしたことなども、市場の先行きに不透明感を誘う形となっている。
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