AIでアメリカ株が暴落する可能性が出てきた? 円高・日本株の下落も同時に進行するのか

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では、こうした状況のなか、世界最大のアメリカの株式市場は大丈夫なのか。3つの重要指標の動きを見ると、やはり先行きの下落リスクが高まっていることが分かる。

1つ目はハイテク業種の動向を映す鏡ともいわれるSOX指数(米フィラデルフィア半導体株指数)だ。同指数は2019年4月24日につけた過去最高値(1604ポイント)から急落、足元では1300ポイントの心理的節目を割り込んだ。これで先行きの下振れ圧力が懸念される。2つ目はダウ輸送株平均指数(20銘柄で構成)だ。5月末時点で1万ドルの心理的節目を割り込んできている点も意識される。ダウ輸送株平均指数は鉄道貨物の動向などアメリカ景気の先行指数として投資家の注目度が高く、株価のトレンド悪化は景気の先行き悪化を織り込んできているとの見方も強い。

そして3つ目がラッセル2000指数(アメリカ株の時価総額1001位から3000位の2000社で構成)だ。5月6日の高値から急落、足元では1500ポイントを下回った。同指数はアメリカの景気との連動性が高い中小型株の動向を示す指数と言われ、景気の先行きを占うこれら3つの株価指数がいずれも軟調な推移となってきている点は今後のリスク要因として一段と意識されそうだ。

AIは今後何を見て、どう動くのか?

では、こうした不安定な状況のなか、投資の世界でも広がってきているAI(人工知能)は今後、市場の何に注目し、どう動く可能性があるのか。

機械的なAI・アルゴリズム取引は短期のHFT(高速・高頻度取引)で使用されたりしている。またCTA(商品投資顧問業者)・ヘッジファンドなどが運用をする際の戦略などに活用しており、これらが市場の上下の動きを増幅させているとも言われる。

最近ではAIの画像認識技術やディープラーニング(深層学習)を投資の分析手法の一つであるテクニカル分析と組み合わせて、過去のチャートパターンから先行きの動向を読み取り、投資判断を行っていこうとする流れもあるという。特にマーケットの暴落の予兆を捉える異常検知などのリスク管理の分野への適用が進んできているという。そうした場合、AIは今のマーケットで「暴落の予兆」をどのようなところから読み取るのか。またそれを分析した上で、どんな投資判断を下す可能性があるのだろうか?

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