「令和の大学生」の懐事情が明らかに苦しい理由 大学の授業料は上がり仕送り額は落ちている

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続いて下宿生にとって切実な家賃の変遷を見てみましょう。小売物価統計調査の東京都区部の家賃を戦後から現代まで調査しています。数字は調査年代によって、1畳だったり、1坪だったりするので、ここでは関東大都市圏の共同住宅1住宅あたり延べ面積である37.96平方メートルに換算して比較しています。

[図表5 家賃]

上記と同じく現代の価値に換算して比較すると、1950年代に1万円台前半だった家賃は高度経済成長期に急上昇し、1970年代に7万円台に到達。その後は安定しますが、バブル期に再び上昇し、現代では10万円台になっています。これも現代の大学生にとって苦しい懐事情の原因の1つと言えそうです。

大学生の味方「ラーメン」はどうだ?

次に食事面を見てみましょう。大学生がお世話になることが多いラーメン価格の推移を小売物価統計調査で調べてみました。現代の価値に換算した数字を見ると、こちらは1950年代から1990年代まで一貫して400円前後で推移しており「物価の優等生」ぶりがうかがえます。その後、ラーメンブームの影響から2000年代から上昇し600円近くに達しています。

それでも授業料ほどは上がってはおらず、食の面では今も昔も学生の強い味方となっているようです。

[図表6 ラーメン価格]

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