ハーバード・ロースクール出身しか採用しない
ハーヴィーとマイクの「バディもの」ともいえる本作は、演じる2人のイケメンぶりに加え、設定も一見アメリカン・ドリーム的なので、軽めのドラマに感じられるかもしれない。実際、スタイリッシュな映像に事務所の面々も美女ぞろいで、映画ネタを散りばめた弾丸トークやウィットに富んだ会話の応酬は、大人が楽しめるトレンディドラマといった印象もある。が、見た目の華やかさに反して、これがけっこうシビアな世界を描いている。
まず、この事務所は名門中の名門ハーバード・ロースクール出身のエリートしか採用していない。ハーヴィーに対抗心を燃やすルイス(リック・ホフマン)という、こちらもデキる弁護士だが、ブサイク度(失礼!)といい、性格のねちっこさといい、事務所内では煙たがられている存在。
このルイスが若手弁護士たちを集めては、ハーバードをネタにしたトリビア的なクイズに答えさせる。学閥の最たる形で、はたから見ればイヤミったらしいことこのうえない。思わず苦笑いしてしまうが、あなたの会社でも似たような光景を目にするのでは!?
男の嫉妬は怖い!同僚同士でここまでやるか!?
その中でも生え抜き中の生え抜きであるハーヴィーは、事務所きってのクローザー(案件や契約を最終的にまとめる役割を果たす人)。見た目も隙がなくパーフェクトで、とにかく負け知らずなのだが、敵は外にいるだけではない。
というか、このドラマはリーガル・ドラマでありながら、法廷シーンはほとんど出てこないところがポイント。訴訟に至るまでの過程や巧みな戦略も見ものだが、同じ比重で描かれる社内のパワーゲーム、社内政治が実に熾烈で興味深いのだ。「やられたらやり返す。倍返しだ!」どころか100倍返し。それを通り越して、笑顔で「リベンジだ」と言い切る男どもの闘いぶりたるや! 男の嫉妬心とライバル心の怖さをまざまざと見る思いだ。正直、同じ会社の同僚同士でここまでやるか!?という域。
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