大学中退・経歴詐称のマイクはどう闘う?
だが、エリート弁護士だからといって、安穏としてはいられないのが彼らの現実でもある。実際に弁護士は余っているのがアメリカの現状で、いかにハーバード・ロースクール出といえども、いい条件の就職や転職はかなり困難だということは、アメリカのドラマでしばしば描かれている(『グッド・ワイフ』『ザ・プラクティス』など)。
だから、彼らは同僚であってもお互いに相手のミスに付け込み、出し抜き、出資者として地位を有する弁護士=代表者と同等の権利を持つパートナーの地位を狙う。ちなみに、ハーヴィーの役職はこのパートナーである。
一方、マイクなど雇用された若手弁護士はアソシエイトと呼ばれ、いわば使いっ走りのような仕事もさせられる。エリート同士がしのぎを削る一方で、イチから始めるマイクはエリート集団を相手に、どう立ち向かっていくのか?
そこをビジネスパーソンにぜひ見てほしい。マイクの強みは優れた頭脳以上に、どんな扱いを受けても決して腐らず、前を向き続けるハングリー精神にあるかもしれない。
もっとも、言いたいことをダイレクトにぶつけ合っても、お互いの能力を認め合い、基本は相手をリスペクトして「仕事は仕事」と割り切る後くされのない感じは、日本の会社事情や日本人のメンタリティとはかなり異なり、うらやましいなとも思う。
所長が女性という設定は、女性にとって痛快
女性の視点で見ると、そんな究極のエリートたちの上司が女性の所長だという設定がなかなか痛快だ。長身に「クリスチャン・ルブタン」のハイヒールを愛用する所長のジェシカ(ジーナ・トーレス)は見た目も迫力満点で、男性陣を悠然と見下ろしては厳しい決定を下す。
もちろん、彼女にも悩みや苦労はあるが、ビジネスで成功を収めた強い女性像を前面に打ち出したキャラクターは、闘う女戦士(でもエレガント!)といった感じでカッコいい。
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