子ども自身を主人公にするための2つ目の方法は、子どもが興味・関心を持ちそうなものや向いていそうなものを紹介・推薦して、お試しでいろいろやってみることです。
例えば、次のように紹介・推薦してみましょう。
「今度、児童科学館で『ロボットをつくってみよう講座』というのがあるんだって。あなた、ロボットとか機械が好きだから試しにやってみるのもいいかも」「駅前のショッピングセンターで『こども編み物セット』っていうのを売ってたよ。一緒に見に行って気に入ったら買ってみようか」「パソコンとスカイプでできる草笛教室っていうのがあるんだって。草笛ってかっこいいよね。パパと一緒にやってみない?」
強制はよくありませんが、このような紹介・推薦はしてあげたほうがいいです。なぜなら、子どもだけでは身近にあることしかできないので、観察しているだけではその子の可能性に気づくことができないからです。
それに、子どもは情報弱者であり、自分に向いていそうなものを自分で見つけ出すことはなかなかできないからです。けっこう身近なところに、あるいはネット上に、その子にぴったりなものがあっても、子どもは自分で見つけることができません。
大人のほうが情報収集力ははるかに高いので、日頃からネットの情報、地域のチラシ、パパ友・ママ友の口コミなどにおいてアンテナを張り巡らしていましょう。そして、子どもが興味・関心を持ちそうなもの、向いていそうなものをキャッチしたら、紹介・推薦してあげてください。そして、お試しでいろいろなことをやってみれば、その子にぴったりなものに出会える可能性は高まります。
興味を持たなかったら、見切りをつけて新しいものに
お試しの結果、子どもがいまいち興味を持たなかったとしたら、やめればいいだけのことです。「一度やり始めたからにはすぐやめないで、最低3カ月は続けなければやめ癖がつく」などという、昔ながらのつまらない思い込みで、親子ともども苦しまないようにしてください。「やめ癖」などというのは、何の根拠もない作り話であり迷信です。たとえ10個お試しをしてすべてやめたとしても、11個めにぴったりなものに出会えればやめませんから大丈夫です。
今は多様性と流動性の時代です。習い事にしても昔は数が限られていたので、たとえ向いていなくても、1つのことにかじりついてやり抜くというのも有効な戦略ではあったかもしれません。でも、今は状況がまったく違います。ネットも含めてありとあらゆる習い事があります。なぜ、本人がやる気もないし向いてもいないものに、いつまでもこだわる必要があるのでしょうか? それは時間とコストとエネルギーのムダです。さっと見切りをつけて新しいものにチャレンジしたほうがはるかによい結果が得られます。
どの人にも生まれ持った天才があります。それを見つけて伸ばせた人が天才と呼ばれるのです。ところが、見つけられないまま人生が終わる人が多いです。たくさん試せば見つかる可能性は高まります。昔は、自分の天才的才能を見つけ出せないまま人生が終わってしまった人が多かったはずです。なぜなら、画一的で固定的な社会で選択肢が少なかったからです。
でも、現代は、多様性と流動性が高まったおかげで選択肢が非常に多くなりました。ですから、多種多様な人たちが自分の天才的才能を見つけ出して、それを発揮できるようになったのです。今いろいろな分野で天才と呼ばれる人たちの中にも、昔だったらその天才が花開かず、ただの変な人だった可能性が高い人がいっぱいいます。ネット界や芸能界にもいますよね。
最後にまとめます。子どもの習い事は親の妄想をもとにするのではなく、子ども自身を主人公にしてください。そのための方法は観察とお試しです。ぜひ実践してみてください。
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