大学入試"新テスト"採点基準の恐るべき曖昧さ

「50万人の答案」は"公平に"採点できるのか

テストの採点では公平性が絶対条件ですが、記述式問題を取り入れる大学入学共通テストではその公平性は確保できるのでしょうか(写真:Fast&Slow/PIXTA)

これは、私が講演を行ったとき、会場のママさんスタッフに聞いた話です。ある日、その人の小学6年生の子どもが学校で行われたテストを持ち帰りました。その子は、国語の記述式問題のところを見せながら次のような不満を口にしたそうです。

「この問題、最初はマルがついていたのに、後でサンカクになって、半分の5点になってる。こっちの問題は、最初サンカクだったのに後でマルになってて、これはうれしいけど……。でも、この問題は最初サンカクだったのが後でバツになってる。先生は、なんでこんなに丸付けのときに間違えるのかな? バツならバツって最初からつけてほしい」

これがマルなら、さっきのあの子とあの子のは…?

私はこの話を聞いて、自分も教師だったとき国語の記述式問題の採点で苦労したことを思い出しました。本当に、国語テストにおける記述式問題の採点は、教師にとって悩ましいものです。

この連載の記事一覧はこちら

同じ1つの問題について、はじめは、「これはマル」「あ、これはバツだな」「これはマル」などとつけていきますが、そのうちにマルかバツか微妙な解答が出てきます。マルにはできないけど、バツでもないという解答です。

その場合、部分点をあげるためにサンカクにします。そして、また続けていると、マルとサンカクの中間くらいの解答が出てきます。そこでまた困ります。そして、「う~ん、これはマルでいいかな……」となったり、「これはやっぱりマルにはできないからサンカクだな」となったりします。

ところが、そう決めた瞬間、今まで丸つけした子の解答を思い出して、「これがマルなら、さっきのあの子とあの子のもマルにかえなきゃ」となることがよくあります。あるいは、その逆もあります。

それで、そこまで採点したものをもう一度最初から見直してサンカクをマルにかえたり、その逆をしたりします。ところが、それで終わればいいのですが、また採点を続けているうちにさらに微妙な解答が出てくることがあります。

次ページ高学年になればなるほど、こういうことがよく起こる
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • ミセス・パンプキンの人生相談室
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • カラダとおカネのよもやま話
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
大手から専業まで大混戦<br>中古マンション販売の隘路

新築価格が高止まりし、参入業者が急増する中古マンションの「買い取り再販」。デベロッパー自ら物件を取得し、リノベーションを施して販売する手法だ。価格上昇や売れ残り増加など懸念材料も出現、手放しでは喜べない活況の裏側を描く。