「子どもへの性犯罪」防止に知っておくべき事実 小児性犯罪者の治療に関わる専門家に聞く

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小児性犯罪者から子どもを守るのにはどうすればよいだろうか(写真:プラナ/PIXTA)

「ある小児性犯罪者は、『性犯罪のなかでも、小児性犯罪は別格だ』と言っていました。好みの子どもを見つけると、まるでそれに吸い込まれるように近づいてしまうんだと」

当記事は「リディラバジャーナル」からの転載です(元記事はこちら)。同サイトは有料会員制メディアです。リディラバの考え方はこちらを御覧ください。

そう語るのは、大森榎本クリニック精神保健福祉部長で精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんだ。これまでにクリニックをはじめ刑務所や拘置所、警察署で100人以上の小児性犯罪者の治療に携わってきた。

「例えば、ある男性は学校教員になり、子どもへのわいせつ事件を起こしました。デジカメを使って10歳前後の児童の盗撮をしたり、誰もいない教室に入って女子児童の下着を盗むなどしていたそうです。さらに、女子児童に対して繰り返しわいせつ行為をしていました」

この40代の男性は、「クラスの子どもたちのことがいまだに忘れられない。ときどき夢にまででてくるんだ」と赤裸々に話していたという。

子どもへの性欲をどう自覚するのか

男性は教員になってから子どもへの性的関心を持つようになったようだが、そもそも子どもに対する性的関心を持つ人は、いつどのようにして自らのそれを自覚するのか。

斉藤さんによれば、自覚するのはマスターベーションを始めた頃、つまり小学校高学年から中学校くらいだ。

「例えば、男性が初めてマスターベーションをするときに、性的な対象として想像するのは、多くの場合、同世代もしくは年上の異性だと思います。でも、彼らが想像する対象は小学校低学年くらいの児童(男児・女児)だったりする。そうして少しずつ自らの性的嗜好に気づいていくんです」

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