「子どもへの性犯罪」防止に知っておくべき事実 小児性犯罪者の治療に関わる専門家に聞く
「小児性犯罪に限らず、性犯罪者には反復性や強迫性、衝動性、貪欲性、有害性、自我親和性(自らやりたいと思うこと)、行為のエスカレーションという7つの特徴があります。彼らは『やらずにはいられない』と語るほどに、その行為に強い執着心を持っているんです」
加害者の語りは決して受け入れられない
斉藤さんは小児性犯罪を取り巻く現況について、次のように語る。
「そもそも社会が、大人が子どもに性欲を感じることなんかありえないと思っている。でも実際にはあるわけです。犯罪化していない小児性愛という性的な嗜好が理解され、どのように解釈するかを考える土壌が日本社会にはありません。そうすると彼らは社会から孤立し、やがて排除されてしまうでしょう。われわれのところに治療に来るのはある意味SOSの表れですが、そうしたSOSすらも出しづらいのが現状です」
そうして社会から排除された小児性愛者が、やがて小児性犯罪を犯すケースも少なくない。実際に小児性犯罪が年間900件以上起きていることを考えれば、問題の解決には加害者そのものに対するアプローチが必要だと斉藤さんは指摘する。
「性犯罪被害者に対してさえ、厳しい視線を向けられがちだと言われる日本にあっても、ここ数年で被害者が被害体験を語る機会は少しずつ増えている。一方で加害者が口を開く機会はなく、それを受け止める土壌もないのが現状です。ただ今後、加害者の視点から分析して小児性犯罪を防止していくことも必要になってくると思います」
1人の加害者によって数百人、数千人の被害者が生まれてしまうことを考えれば、加害者そのものについて知ることも必要ではないか――。
そうした思いのもと、リディラバジャーナルでは小児性犯罪を犯した経験のある元加害当事者にインタビューをした。加害者のインタビュー記事はこちら(本記事は子どもに対する性暴力加害に触れている箇所があり、フラッシュバックやPTSDを懸念される方は十分に注意してください)。
※本文中のエピソードは事案が特定されないよう事実の一部を改変しています。
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