「アムールの国」フランス人も苦労する寝室事情 "子どもと別室"はそんなに簡単じゃない

✎ 1〜 ✎ 44 ✎ 45 ✎ 46 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

今回取材してなるほどなあと思ったのが、「育児の理想郷」的に取り上げられがちなフランスにだって、夜泣きに悩んだり、寝室を子どもと分けるのに時間がかかったり、そういう家庭がちゃんとあるということ。

部屋の壁には、ピエールさんの趣味のギターがズラリ。それぞれ勝手に趣味を楽しむ時間がある、というのも夫婦円満の秘訣なのかも(写真:著者撮影)

つまり、それくらい育児は理想どおりにいかないものなのです。

もちろん、育児の悩みや問題が、知識や工夫によって解決することはたくさんあります。でも、子どもによってはそれですべてが解決するとは限りません。

そんなとき、「どうしてうちの子だけ!!」と自分や子どもを責めすぎてしまうと、ますます家族全員が追いつめられてしまう。「子どもは一人ひとり違う。想定外の問題だって起こる」という大前提のもと、それに対応できる家庭環境や社会環境であることこそ大事なんだ、と今回改めて思ったのです。

2人で真剣に向き合ったからこそ、子育てができた

おそらくこの家庭でも、当時は、相当に悩んだり体力的につらかったのだと思います。ただ、今こうして過ぎたこととして笑って話せるのは、夫と妻が同じスタンスで育児に取り組んできた、2人で一緒に悩んできたからではないでしょうか。

インタビューの中で、「フランスの男性は夫婦の時間を重視するとよく聞きますが、子育てで生活が変わったとき、寂しいと思ったりしたことは?」とピエールさんに聞いたら、「うちは夫婦2人とも同じくらい子どもに集中してたから」とサラリと即答されたのはとても印象的でした。

ちなみに、この家庭では「子どもに多くを求めすぎない」がポリシーということで、教育面でも子どもの負担を大きくしすぎないようにしているそうです。

ところで、子どもの夜泣きに悩んでいるけどまだ解決法を探るまでもいってない!という方は「ねんねトレーニング」で検索してみるのがオススメ。日本でも、近年は「子どもに合った夜泣き寝ぐずりの解消法」がいろいろと提唱されています。現役医師によるエビデンスに基づいた情報発信も増えてるし、そのあたりは日本の育児環境もどんどんよくなってきてるなあ!と個人的には感じています。

というわけで、今回学んだ「家族がつかれないためのヒント」は……

自分の子どもを他の子と比較すると落ち込む…

子どもは一人ひとり違う。
その子どもだけを見て、その子に合った暮らしを探っていこう。

さて次回は、フランスの保育園事情について紹介します。お楽しみに!

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事