会社を辞めても通用する「専門性」とは何なのか 行動力や決断力は若い頃からの積み重ねだ

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そのうえで、その分野に対する需要はどうか、将来性はどうなのかなどを考慮する必要があるわけですが、そもそも論としてその分野に対して自分が「熱い思い」を持てないと極限までの追求も何もありませんから、その熱い思いを持てることがいちばん大切なのです。

その前提で現在のDさんの状況を鑑みますと、まずは専門性を修得するための、つまり物事を極限まで追求するための覚悟をもう少し固める必要があるように思えます。

まず自分自身の「覚悟を決める」

ご自身のキャリアを追求するための転職において婚約者の方やご家族のことを考えて躊躇されているとのことですが、いちばん身近な人たちを説得できないような情熱では正直心もとないと言わざるをえません。

ご家族なり周りの状況を考え、という気持ちは理解できなくはもちろんありませんし、その考えは非常に立派です。

しかしながら、仕事において専門性を追求する、という気概も持つのであれば、仕事を極めることと家族マネジメントの双方を両立させる必要があります。

頂戴した文章からは婚約者の方やご家族と転職のことや将来のキャリアについて話し合いをしているか否かはわかりかねますが、周囲を巻き込む前に自分自身の「覚悟を決める」ということ抜きには何も始まりません。

人は誰でもそうですが、究極的には人生にかかることに関する決断は自分1人で下す必要があります。

そのために必要なことは、まず最初に自分自身を納得させることであり、最終的には自分の決断に対する覚悟を持つことです。そのうえで初めて、周りを巻き込んだり、説得することができるのだと心得ましょう。

中途半端な意思決定や思いつきや、後ろ向きな決断では周囲を説得することも巻き込むこともできないはずです。

その周囲が自分にとって大切な存在であればなおさらです。

覚悟を決めた決断に対して婚約者の方がどのような反応をするかはわかりかねますが、1つ言えることは覚悟のない、情熱のない新たな道であれば現状維持を求めてきたり、当たり障りのない回答に終わってしまう、ということでしょう。

次ページ婚約者の方が本気や覚悟を感じるかはDさん次第
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