ホームレスは普段どこで何を食べているのか 実態を探ると「貧困ビジネス」の影も見えた

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炊き出しを開催しているのは、宗教団体、ボランティア団体、政治団体、そして怪しげな業者などである。

ホームレス向けに開催される炊き出し(筆者撮影)

まず宗教関連では圧倒的にキリスト教系列が多い。そしてキリスト教の中でも、韓国系のキリスト教会が開催している炊き出しが多かった。

上野公園で開催されるキリスト教会系の炊き出しは、炊き出しが開催されるまでにかなり長い時間の説教があった。夏冬には厳しい。夏の暑さにダラッとしているホームレスたちを見て教会の人がマイクで、

「暑いからといってダラッとしてはいけません! 地獄はもっと暑いです!!」

とハッパをかけていた。半年後に訪れると、今度は凍えるホームレスたちに、

「みなさん地獄はもっと寒いです!!」

と言っていた。

長い説教が終わった後は、みんなで賛美歌を歌う。

ホームレスたちに、

「ハーレルヤ♪ ハーレルヤ♪」

と身振り手振りをさせながら、何曲も歌を歌うことを強制していた。

さすがに、炊き出しをするのに、ここまで時間をかけなくてもいいのに……思った。

1日に何カ所も炊き出しが行われることも

炊き出しは、雑炊やおかゆ、カレーのようにたくさん作れるものを支給する場合が多い。また、おにぎりなどをあらかじめ作ってきて配るところもあった。

変わった例では、韓国軍のコンバット・レーション(軍の糧食)が配る団体がいた。韓国軍が消費期限が迫ったコンバット・レーションを、韓国系のボランティア団体に寄付し、それをホームレスに配ったということらしい。

おいしくないとホームレスの評判はあまりよくなかったが、『ミリ飯(めし)』は人気だから、売る場所に売ったら高い値段がつきそうだな、と思った。

通える範囲で何カ所も炊き出しが行われることがある。例えば、

12時 A公園ではボランティア団体による炊き出し。カレーライスとバナナ
13時 B公園で政治団体のおかゆ配布
17時 Cビルの前でボランティア団体が乾パンを配布
17時 D広場でキリスト教会が炊き出し。炊き出しの後には相談会あり

とこんな感じだ。

時刻が重なることがあるが、それでも頑張って回れば1日に何度も食事にありつくことができる。

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