タピオカドリンク「ゴンチャ」が大人気のワケ

葛目良輔社長が目指すのは「お茶のスタバ」

「プライス」では、タピオカ入りのミルクティーを490円の設定にし、ほかのブランドよりほんの少し上を目指した。客単価は550円前後で、ゴンチャのなかでも、ジャパンは世界一高く、シンガポールや台湾の2倍ぐらいとのことだ。

左から「マンゴー 有里山ティーエイド+パール+ナタデココ」640円 、1番人気の「ブラックミルクティー+パール」490円 、「ミルクフォーム グリーンティー」420円(筆者撮影)

「10代の若年層が『ちょっと高い』と思う程度に設定しました。中高生などの若年層が気軽に行けるようにすると、大人がくつろげない。若年層にとっては、ちょっと背伸びして行く、ぐらいの位置づけのほうがいいんです。そうすることにより、ブームに終わらずスタイルとして確立する。長く続きます」(葛目氏)

最後の「プロモーション」については、ほとんどしないのが方針だ。お客を呼び込むためのディスカウントもしないという。

さて、ここまでで気になるのが、タピオカの位置づけだ。最初の「プロダクト」についての説明にあったように、タピオカは商品戦略のうえで強調されていないものの、同チェーンではタピオカミルクティーが1番人気である。

また同社にとっても重要なアイテムであることに変わりはなく、チェーンの誕生にも関わっているようだ。現在到来しているタピオカブームの第2波にも実は関係している。

「目新しいもの」が大衆へと広がる「臨界点」

「1990年代に起こったタピオカブームでは、さまざまな品質の店が多くできて、商品品質に関わる事故も起きました。そのため、かえって市場が縮小してしまったという経緯があります。タピオカミルクティーは世界で“バブルティー”と言われていますが、まさにバブルがはじけたわけです。ゴンチャの創業者は、洗練された雰囲気でよりクオリティの高いお茶を提供したいと考え、ゴンチャを起こしました」(葛目氏)

日本でもゴンチャと並べてよく紹介されるのが「春水堂(チュンスイタン)」だが、同チェーンは1983年に台湾で誕生。「タピオカミルクティー発祥の店」をうたっている。1990年代に起こったというタピオカブームは、このチェーンが震源地と言えそうだ。

日本では、2013年に代官山に1号店をオープン。都内に6店舗のほか、埼玉、神奈川、大阪、九州などに7店舗を展開している。また、ゴンチャと同じスタンド型のブランド「TP TEA(ティーピーティー)」を2005年に立ち上げており、2016年からグローバル展開しているのも気になるところだ。

葛目氏の話にもあるように、タピオカミルクティーは“バブルティー”と呼ばれ、アメリカ・カナダ圏でも親しまれている。今、世界的なブームとなっているのは春水堂やゴンチャのようなチェーンが世界展開を始めたことがきっかけになっているのかもしれない。

日本に上陸してから4年、現在は、出店のたびに行列ができるほどの爆発的人気を見せているゴンチャ。この事態は葛目氏にとっても「想定を超えている」という。

「2018年の3月あたりから、こうした傾向が出てきました。一般的に流行を分析した場合、新しいもの好きや一部のファンから大衆へと広がる臨界点があると言われます。おそらく、当社もそれを超えたのかなと」(葛目氏)

次ページ渋谷、新宿への進出が“臨界点超え”のカギだった
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