タピオカドリンク「ゴンチャ」が大人気のワケ

葛目良輔社長が目指すのは「お茶のスタバ」

「タピオカミルクティーを押すのが王道ですが、それではアジアのスイーツ、という狭い市場で一部の注目を集めるにすぎない。ブームが終わればすぐに飽きられてしまいます。私は、カフェという大市場の中で、お茶のチェーンという潮流をつくりたいと思いました。

また、コーヒーはメニューから外しました。これは、ゴンチャが展開している約20カ国のうち日本だけです。海外では『コーヒーがあれば男性が頼めるからカップルでも入れるし、客層が広がる』という考えですが、日本の場合はコンセプトがぼやけてしまう。むしろお茶好きの男子へと広げていく考え方です」(葛目氏)

ゴンチャ ジャパン取締役社長兼COO葛目良輔氏(編集部撮影)

なるほどメニューを見ると、主役はあくまで4種類のお茶。タピオカはトッピングの1つとして記載されているにすぎない。また、スムージー系も当初はメニューから外し、2016年から扱いを始めたというように、「お茶の店」を前面に出した。

もともと同チェーンは、“貢茶”という店名にも表れているように、皇帝に献上するような品質のよいお茶を気軽に飲める店、がコンセプト。加えて、葛目自身が以前から抱いていた思いが重なっている。

「スターバックスは上陸当初こそ“シアトル系”などと言われましたが、今はスタバ自体がスタイルになっていますね。コーヒーが好きな人というよりは、ミルクたっぷりのコーヒー味の飲み物とか、空間や雰囲気が好きでスタバに行く。いわばコーヒー嫌いのスタバ好きがいるんです。そのなかにはお茶好きな人もいるだろうし、その人たちの選択肢の1つになれればと思いました」(葛目氏)

つまり、お茶におけるスタバというポジションが狙いのようだ。ただ、スタバは“サードプレイス”をうたっているように、空間を含めてブランディングに加えている。一部の店舗を除きスタンド型であるゴンチャでは、商品のみが勝負だ。

「プレイス」もあえて「王道」を外す

次に、マーケティング戦略の2つ目、「プレイス」についても、葛目氏は意表をつく選択を行ってきた。第1号店は原宿表参道店だが、竹下通りや表参道に面したいわゆる原宿というエリアからは少し離れている。また2号店は阿佐ヶ谷だ。ターミナル駅である新宿、渋谷には2017年になってやっと進出した。これも、プロダクトと同じ考え方。

「竹下通りやショッピングモールへの出店は戦略に入れませんでした。競争が激しく、飽きられたら廃れる。家賃にコストもかかります。今はSNSの時代だから、“表参道”というキーワードさえあれば、実際に表参道から見えない場所でも、集客には問題ありません」(葛目氏)

同社では「デイリー・ティー・プレイス」をコーポレートビジョンとしており、店舗を客にとっての“止まり木”のような存在と位置づける。自宅から目的地である学校や勤務先へと向かう動線のなかで、ターミナル駅・日常・非日常という3つの段階に分け、それぞれに出店しているのだ。

目的地に近く、非日常という性格も併せ持っているのが表参道。反対に、目的地に近く日常に近いのが、2018年6月に出店した日本橋だ。2号店を出店した阿佐ヶ谷は、自宅に近く日常的。ブランドにリアリティを持たせる作戦で出店したという。

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