ドラッグの王者復権へ! マツキヨが繰り出す捨て身の挽回策《特集・流通大乱》

「マツキヨ」掲げない雑貨店 美意識高い女性取り込みへ

「美」事業強化に向けては雑貨店の展開に乗り出す。医薬品は扱わずに、化粧品やサプリメントなど健康食品、さらに輸入菓子などを販売。安売りは一切しない。「マツモトキヨシ」の名前も看板も掲げない、まったく新たな試みだ。

今秋には1号店を出店予定。その後は「大型商業施設内などを中心に、1年間で最低10店舗は出したい」と同業態を担当する隼田登志夫常務は意気込む。

新業態が狙うのは、化粧品や雑貨への消費意欲が強い「プチリッチ」な女性層の開拓だ。マツキヨは女子高生など若年層や主婦層には強みがあるものの、「ドラッグストアは安売りのイメージが強く、取り扱わせてもらえない化粧品メーカーや製品がある」(隼田氏)ため、すべての女性の需要を取り込めているとは言い切れなかった。

そこで、新業態では「マツキヨ」の屋号を掲げないことで、こうした製品を扱えるようにするほか、マツキヨの中でも“えりすぐり”の美容部員を配置してカウンセリング販売にも力を入れる。さらに、健康食品の販売では管理栄養士も置き、「たとえば美白化粧品を購入するお客様には、ビタミンCを併せて勧められるようにする」(隼田氏)と言う。

ただし、新たな試みに励む一方で、足元には課題も残っている。グループを含めたドラッグ業態の収益のテコ入れだ。

もともと、ドラッグ業態は地域性が高いため、自力出店による全国チェーン化は難しい。そのため、マツキヨも関東圏以外は買収やFCなどによるグループ化を図っているが、「自主性を尊重するあまりか、買収した会社が野放し状態になっている」と、大和総研の松本大介アナリストは指摘する。共同購買には取り組むが、共通の店舗運営マニュアルなどを徹底できておらず、「詰めが甘いのは否めない」(同氏)。

単にグループに企業を入れるだけでは相乗効果が望めないどころか、弱小企業を抱えればかえって利益率も低下しかねない。実際に同社の営業利益率は年々落ち込んでいる。新たな取り組みを進めながら、どれだけ足場固めができるか。かつての輝きを取り戻す道のりは平坦でない。


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(週刊東洋経済)

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