サイゼリヤが「低価格なのに儲かる」カラクリ

売上高は「5期連続」で伸び続けている

なるほど、店舗全体の面積は変えずにキッチンの面積を小さくすれば、その分、客席を増やして売り上げを増やすことができる。一方、キッチンの面積を小さくした分、店舗全体の面積も小さくすればテナント料や土地購入費、建設費なども低く抑えられる。

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実際、サイゼリヤはキッチンを小さくすることによって、都心の狭小地をはじめ、これまでは出店できていなかった地域にも進出できるようになった。

それを裏付けるように、近年、サイゼリヤの新規出店はアクセスのいい駅前やテナントビルやショッピングセンター、商業施設などにほぼ限られ、逆に郊外型の不採算店はどんどん閉店している。

今、サイゼリヤではイタリア直輸入のグラスワイン1杯100円が人気だ。それは単に値段が安いという理由だけではないだろう。店舗が駅前にあるので車で来店する必要がなく、安心してお酒が飲める、しかも、料理はリーズナブルなイタリアンだ。 

こうしたことも、サイゼリヤの「キッチン半分戦略」がもたらした効果といえる。ところで、なぜキッチンを半分にできたのか。それは、基本的に「調理をしない」から。

サイゼリヤのキッチンに調理器具はほとんどなく、ガスレンジもないという。セントラルキッチンでほぼ完璧に仕上げられた料理が店舗に運ばれてくるので、キッチンを小さくできたのだ。

品種改良まで行う「製造直販」も強み

もう1つ、サイゼリヤが儲かる理由として忘れてはならないのが、食材を自社生産していること。しかも、ただの自社生産ではなく、栽培・収穫から加工、調理まで一貫して行う製造直販。

例えばレタスなどは、種の段階から開発している。普通のレタスが1玉でサラダにして数人分しかとれないところを、サイゼリヤは品種改良により5人分以上とれるような高効率のレタスを開発した。

各店舗で使うホワイトソースも、牛乳が安価なオーストラリアに専用の工場を建設して製造している。こうした、食材の自社生産でコストを抑え、店舗のキッチンを通常の半分にまで狭くしたことで、店舗当たりの売上高を上げる。こうした取り組みが、安くても儲かる秘密と言えそうだ。

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