ラウンドワン「ボウリング復活」へ放つ一手

映像・音声で初対面の客同士つなぎ、遠隔対戦

日本におけるボウリングは幕末に長崎へ持ち込まれたようだが、その後は戦後に米軍基地内で楽しまれる程度。100年近く一部の人の間のスポーツだったが、1960年代半ばから急速に普及し、巨大なブームを迎える。

スポーツや余暇社会学の専門家で、『ボウリングの社会学』という著書がある東京女子体育大学の笹生心太(ささお しんた)講師によると、「(1960年代)当時は『アメリカ文化への憧れ』から、サラリーマンを中心とする若い男女が仕事帰りに都市部のボウリング場へ向かった」という。

技術進歩による余暇時間の増加やテレビ・洗濯機・冷蔵庫という「三種の神器」の普及、プロボウラーたちがテレビでスター扱いされた影響も重なり、1967年当時、500店弱だった全国のボウリング場は1972年までに約3700店まで膨れ上がった。

過当競争と不景気でブームは急激に縮小

ボウリング場の経営は、至ってシンプルな「装置産業」だ。最初にボウリング機器を取りそろえ、あとは集客で初期投資を回収していく。客層は1人で訪れてマイボールやマイシューズをそろえるようなスポーツ型と、グループで遊びに来るレジャー型に二分できる。着替えが要らないスポーツ兼娯楽であるボウリングの裾野は急速に広がっていった。

ただ、「100レーン規模の施設も登場し、とにかく儲かるとボウリング場が過剰に増えた」(笹生氏)。その結果、ボウリング場の間で過当競争が起き、採算が悪化。1973年に発生したオイルショックによる不景気も重なり、ボウリング場の数は1976年に900店以下までに減少し、ブームは急速にしぼんでいった。

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