25年ぶりに「おぼっちゃまくん」が再開したワケ 小林よしのりさんが表現する「生きる力」

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勢いあるストーリーと画風、ギャグの切れ味も当時のまま。御坊家(おぼっちゃまくんの生家)のお金のように、ネタがあふれ出てくるものなのだろうか。

「ギャグマンガ家って4年くらいでネタがつきるもの。ギャグドランカーというか、カスカスになってしまうんですね。でも、わしは、60歳過ぎてもパワーが落ちていなかった」

実際に描いてみて、パワーダウンしていたら、やめようかと思っていたとか。

小林よしのり(こばやし よしのり)/デビュー作『東大一直線』(週刊少年ジャンプ)が大ヒット。1986年、「月刊コロコロコミック」(小学館)にて連載された『おぼっちゃまくん』が大ブームに。1989年にはアニメ化もされ、第34回小学館漫画賞を受賞。主人公がしゃべる「茶魔語」が子どもたちの間で流行語となり社会現象となる(写真:週刊女性PRIME)

「読者はすぐに見抜きますからね。連載を始めて評判がよかったので、これはイケると思いました」

当時より時事ネタも多く、さらに濃厚にパワフルになった、という声も。だが、おぼっちゃまくんは8年間の連載が続いた後、25年間というかなり大きなブランクがあいている。

「25年もブランクがあったとは……今日知って驚きましたね(笑)! ごく自然に続編を描き始めたので、特に影響はありません。その間『ゴーマニズム宣言』という社会派のマンガを描いていて、ストックもたまっていたので、連載再開はいい機会でした」

『ゴーマニズム宣言』を読んで育った現代の若者には、小林よしのりさん=社会派というイメージが強いかもしれない。だが、「若い世代にこそ、おぼっちゃまくんのヒューマニズムに触れてほしい」と、おぼっちゃまくんを推す。

ギャグマンガは生きる力を与えてくれる

今回の連載再開でうれしいニュースがある。それはキャラの秘密が明らかになるかもしれないのだ!

「御坊家は999代続く歴代の大財閥なんですが、999代っていうのは計算すると、7万年かかる計算なんですよね(笑)」

7万年前というと霊長類が出現したころ。御坊家は霊長類最古の大金持ちなのかも!?

「御坊家の始まりなんかも描いてみたいですね」

もしかして原始人のドデカイ石のお金は、御坊家が作ったものだったりして。

「実は御坊家には謎がたくさんあるんです。そもそも、おぼっちゃまくんは田園調布住まいなのに、なぜ博多弁なのか? とかね」

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