25年ぶりに「おぼっちゃまくん」が再開したワケ 小林よしのりさんが表現する「生きる力」
勢いあるストーリーと画風、ギャグの切れ味も当時のまま。御坊家(おぼっちゃまくんの生家)のお金のように、ネタがあふれ出てくるものなのだろうか。
「ギャグマンガ家って4年くらいでネタがつきるもの。ギャグドランカーというか、カスカスになってしまうんですね。でも、わしは、60歳過ぎてもパワーが落ちていなかった」
実際に描いてみて、パワーダウンしていたら、やめようかと思っていたとか。
「読者はすぐに見抜きますからね。連載を始めて評判がよかったので、これはイケると思いました」
当時より時事ネタも多く、さらに濃厚にパワフルになった、という声も。だが、おぼっちゃまくんは8年間の連載が続いた後、25年間というかなり大きなブランクがあいている。
「25年もブランクがあったとは……今日知って驚きましたね(笑)! ごく自然に続編を描き始めたので、特に影響はありません。その間『ゴーマニズム宣言』という社会派のマンガを描いていて、ストックもたまっていたので、連載再開はいい機会でした」
『ゴーマニズム宣言』を読んで育った現代の若者には、小林よしのりさん=社会派というイメージが強いかもしれない。だが、「若い世代にこそ、おぼっちゃまくんのヒューマニズムに触れてほしい」と、おぼっちゃまくんを推す。
ギャグマンガは生きる力を与えてくれる
今回の連載再開でうれしいニュースがある。それはキャラの秘密が明らかになるかもしれないのだ!
「御坊家は999代続く歴代の大財閥なんですが、999代っていうのは計算すると、7万年かかる計算なんですよね(笑)」
7万年前というと霊長類が出現したころ。御坊家は霊長類最古の大金持ちなのかも!?
「御坊家の始まりなんかも描いてみたいですね」
もしかして原始人のドデカイ石のお金は、御坊家が作ったものだったりして。
「実は御坊家には謎がたくさんあるんです。そもそも、おぼっちゃまくんは田園調布住まいなのに、なぜ博多弁なのか? とかね」