25年ぶりに「おぼっちゃまくん」が再開したワケ 小林よしのりさんが表現する「生きる力」

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一方、貧乏キャラの貧ぼっちゃまにも謎は多い。

「彼がなぜ落ちぶれたか……知りたくないですか?」

えっ、もちろん知りたいです! 今後は少しずつ登場人物の謎が暴かれていくというから楽しみ倍増だ。

「おぼっちゃまくんを連載していた当時は忙しすぎて、客観性を失っていました。今、それらを解決しなきゃと思っています」

今後はさらに、社会で問題になっていることを果敢に取り上げ、小林流社会論を新おぼっちゃまくんで展開していく予定。

「ギャグマンガだからできることだと思います。ギャグマンガって、そもそも風刺作品なんですから。ブラックなところを笑いに変える力があるんです」

『新・おぼっちゃまくん』小林よしのり=著 幻冬舎 926円(書影をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします)

小林さんは真のギャグマンガを後世に伝えたいと意欲を燃やしている。

「ギャグマンガは、バイタリティーにあふれていなければなりません。生きる力が湧いてくるのがギャグマンガなのです」

皮肉と業が交じり合った人間の社会。それを率直に表現できるのはギャグマンガだからこそ。

「社会はそういうふうにできているのです。純粋で美しい世界なんて、どこにもありません。その中で生き抜いていくには、エネルギーが必要。ゲラゲラ笑って、ホロリと泣いて、この厳しい世の中を渡っていきましょうよ!」

ライターは見た!著者の素顔

社会派のイメージが強く、怖い先生かと思いきや、優しくてダンディー☆ 素敵なナイスミドルでした。
おぼっちゃまくんのファンは年齢層が幅広く、アラフィフ記者もマンガとアニメで大笑いしていました。本作では、おぼっちゃまくんと貧ぼっちゃまの壮大なる(?)「ともだちんこ」シーンがあり、思わず泣けてしまいました。
今後はこの2人の秘密も解き明かされるということで、ますます楽しみ、ワクワクです。
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