台湾に行ったら「ベジタリアン」料理が凄すぎた ヴィーガンではない人も満足する台湾素食

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台北市内にある回転素寿司「水問」を訪ねてみた。訪れたのは土曜日の14時すぎだったが来客はひっきりなしだった。まずはマグロを取ってみた。赤身とトロ。本物そっくりだ。興味深かったのはお皿の色分けだ。

緑皿:全素(卵・牛乳不使用)
黄皿:卵使用
白皿:牛乳使用
赤皿:卵・牛乳使用

以上の4色があり、どれも肉・魚はいっさい使っておらず、卵、牛乳の使用状況によって4色に分けられている。値段はどれも一皿32台湾ドル。約120円だ。普通の回転寿司と変わらない値段だ。

すべて野菜やキノコで作られた煮こごりとサーモン(こんにゃく製)の刺し身(筆者撮影)

台湾で肉を食べない人が多い理由

なぜ、台湾では素食人口が多いのか?

「中高年者では、仏教・道教・一貫道などの宗教の影響が大きい。若者では環境保護・動物愛護の理念を踏まえ、健康志向もあり、菜食を選ぶ傾向がある」と社団法人台湾動物社会研究会(EAST)の執行長・朱さんは話す。

若者でにぎわう西門のデモンストレーション(筆者撮影)

台湾における10%程度が素食人口といわれている。ちなみに宗教上での素食の人たちはベジタリアンなどとも少し異なり五葷(にんにく、ネギ、タマネギ、らっきょう、にら)といった食材も食べない。

東京の渋谷のように若者でにぎわう街・台北市西門では、ヴィーガンを勧める市民団体「Vegan 30」がデモンストレーションをしており、多くの若者の興味を引いていた。

こうした中で、素食レストランビジネスは好調のようだ。善果餐飲グループ(GOOD DEEDS)が経営する上善豆家・禪風茶樓・十膳麺堂・善菓屋の4種類の飲食店のうち、高級な雰囲気が漂うレストラン・禪風茶樓を訪ねてみた。精進料理の中華スタイルといった印象だ。素食だが創作料理でおいしい。言われなければ素食とは気づかないかもしれない。

ヴィーガン向けの食材も豊富だ。仏教団体で、有機農業・植樹・プラスチック不使用・植物由来飲食を目指す財団法人「慈心有機農業発展基金会」が運営する会社「里仁」のスーパーが有名である。有機野菜や素食をそろえたスーパー「里仁」は台湾全土に133店舗展開している。

そのうち、最も大きいという台北市内の店舗を訪問してみた。生鮮食料品に加え、レトルト食品、冷凍食品、さらには家庭用雑貨や書籍までそろう。

味付けされた代用肉(筆者撮影)

台北を訪問したのは3月下旬だったが、ちょうど台北世界貿易センターで台北国際素食茶藝展が開催されていた。

ものすごい数の素食の食材・食品会社が展示販売を行っており、そのパワーには圧倒された。

目立ったのが肉もどきだ。素食主義といってもやはり肉の味を求める人は多いのだろう。味付けされた代用肉が豊富にあった。例えば、チャーシューなども肉の部分と脂の部分がうまくできていて、言われなければ代用肉とは気づかないかもしれない。

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