「隅田川幹線」と氷点下15度の異次元風景 地下に広がる、筋骨隆々のおとこたちの仕事場

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地面へ染みこまない雨水はどこへ行くかというと、排水溝などから下水管へと流れ込む。なのに下水管は、昭和40年代から最近まで、同じ太さでしかなかった。ゆえに、冠水も多くなる。特にこのあたりは海抜ゼロメートル地帯で、洪水にも警戒が必要な地域だ。だから水害を防止する目的で、リニューアルと新しい巨大下水管の敷設が進められているのだ。

その巨大下水管のうちの1本がここ、隅田川幹線だ。足立区の雨水を受け止め隅田川へと放出するために造られている。

ルパン三世のテーマ音楽とともに地下へ

堀切駅から少し歩いたところに、隅田川幹線への入り口があった。縦に深い穴(正式名称・特殊人孔)である。内径14.4メートル、深さは約41メートルだ。これをエレベータで降りていくと、工事中の下水管にたどりつく。

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エレベーターで地下の世界へ

いざ、地下へ。降下し始めると同時に、エレベーターのカゴの中に音楽が流れ始めた。どこかで聞いたことがある。これは、ルパン三世の主題歌ではないか。

エレベーターの作動を周囲に知らしめるためのこの音楽、ほかにも、インディ・ジョーンズなどが用意されているという。否が応でも気分は盛り上がる。この際、ぜひ太陽にほえろ!や炎のファイターも追加してもらいたい。

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地底部に到着しました

到着した穴の底には、横穴が伸びていた。これが幹線だ。約3キロ先の穴の先まで、普段は自転車で移動するらしいのだが、本日は貨物用のトロッコに乗せてもらう。

パトランプが廻り、ピーッピーッという連続音がして、出発進行!トロッコは猛スピードで進んでいく――と言いたいところだが、実際は低速で時速8キロほど。乗り心地を除いては、ディズニーランドのホーンテッドマンションのようだ。

乗り心地について補足すると、かなりの音がする。同乗する東急建設の方と会話をするのは難しいくらいだ。そしてかなり揺れる。

今回は東洋経済の編集者はおろかカメラマンまで来ないというヒドイ仕打ちを受けているため、ボクが写真を撮るしかないのだが、光量が足りないのも手伝って、これじゃあプロの写真もぶれるだろう。

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