「日経平均年央1万6000円予想」を変えない根拠 今年と似た過去5回の値動きを検証してみた

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アメリカの市場も徐々に景気後退の流れに気づき始めている(写真:ロイター/アフロ)

昨年12月に世界的に株価が大きく下振れしたことの反動もあり、1月以降、主要国の株価は戻り歩調をたどってきた。ただ、どうも3月途中から、株価の頭が重くなってきたように感じられる。実際、3月22日のアメリカ株の下落や、それを受けての25日の日本株の下落など、日々の株価の下げ幅が大きくなった局面も見受けられた。その一方で、株価が大きく下落し続けることも、まだ起こってはいない。

「頭」が重くなった場合、過去はどうだったのか?

いわば「ぐずぐず度合い」が強く、大きく上がりはしないが下がりもしない、とは言っても、じわじわと頭が重くなってきている、という地合いだ。特に日本株については、こうしたぐずぐず度合いは、東証1部の売買代金が2兆円前後と、昨年に比べ、少な目で推移していることにも表れている。

その背景には、主要な現物の投資家、たとえば国内機関投資家や海外の長期筋の動きが不活発で、事業会社の自己株買いや海外短期筋の先物買いに、何とか株価が支えられている、という点があるだろう。そこには、主要国の経済動向に対する疑念があるだろうが、その点は後で触れるとして、過去の日本の株価動向で、年初から2月までは堅調だが、3月に入って株価の頭が重くなった場合、その後年末までの株価はどうなったのだろうか。

実は2016年出版の拙著「勝率9割の投資セオリーは存在するか」(東洋経済新報社)では、「1月効果」「セル・イン・メイ」などの、よく唱えられる株価の季節修正は本当なのかを、データを使ってきちんと検証している。

出版が数年前なので、もちろん直近までのデータは反映されていないが、長期的な視点で分析しているため、今でも内容は古くなく、興味深いものだと思う。この著書では、前述の「年初から2月までは堅調だが、3月に入って株価の頭が重くなった場合、その後年末までの株価はどうなった」かについては触れていないので、ここでご紹介しよう。

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