「日経平均年央1万6000円予想」を変えない根拠

今年と似た過去5回の値動きを検証してみた

一方、アメリカでは、3月のFOMC(米公開市場委員会)で、連銀が利上げの様子見(および今年は利上げが行なわれないとの見解)と、9月までに量的緩和の縮小を停止させるといった方針を表明したため、それがかえって株価の重石となっている、という声が聞こえる。

アメリカの市場も景気後退の流れに気づき始めた

つまり、アメリカの経済指標は、確かに陰りは広がってはいるものの、それほど悪いわけでもない。そこで連銀が「優しい政策」を打ち出すと、「実は連銀が懸念するほど悪いことが、水面下で起こっているのではないか」という疑念を呼んでいる、という意見だ。

「連銀が利上げを打ち止めにしてくれる」「連銀が株価に配慮してくれる」と言って、はやしていたかと思うと、今度は「連銀のせいで株価が上がらない」と不満を言うとは、何と身勝手なことかと感じるが、徐々にアメリカの市場は、じわじわと進む景気後退への流れに、気が付き始めたようだ。

こうした連銀のハト派的な姿勢や、景気に対する警戒感を受けて、アメリカの国債が買い進められ、一時10年国債利回りは3カ月物の利回りを下回った。加えて、高い利回りを求めて、格付けが低めの社債などを買い進める動きもみられる。こうした債券買いは大丈夫なのだろうか?

たとえば国債については、トランプ政権の元で、拡張的な財政政策が推し進められている。加えて、国債の発行残高はすでに上限に達しており、新規に国債を発行できない状況に陥っている。米財務省は何とか資金繰りをつけて泳いでいる事態だ。議会がいつまでも債務上限を引き上げず、米国債がデフォルトする、といった展開はないと見込むが、下院民主党が債務上限引き上げを「人質」にとって、自党の主張を達成するために政争の具とする可能性もある。その場合、国債市場に格下げ思惑が広がり、混乱が生じうるだろう。

アメリカの社債は、これから景気が後退し、企業収益が悪化すれば、企業財務の悪化懸念から格下げが進んだり、売り込まれたりするだろう。すると、同国では株価の下落に、国債価格や社債価格の下落が加わるかもしれない。それは同国以外の株式・債券市場をも、波乱に巻き込みうる。

このように、日米等の情勢をざっとだけ眺めてみたが、やはり日本株については、年央に日経平均が1万6000円程度まで下落する、というシナリオは変える必要がないと考える。一本調子で下落するわけでもなく、短期的には株価が跳ね戻ることもあろうが、そうした流れのなかで、今週の日経平均株価は2万0800円~2万1700円を予想する。

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