「日経平均年央1万6000円予想」を変えない根拠

今年と似た過去5回の値動きを検証してみた

懸案の日本の経済データは、1月分まで悪化した後、2月には持ち直しがみられる。日銀金融政策決定会合などでは、輸出と生産の見通しが下方修正された。それに対して、たとえば前回のコラム「『株価は大きく下落する』と読むこれだけの理由」でも紹介した日本からの輸出額は、1月には前年比8.4%減と大きく落ち込んだが、2月は前年比1.2%減と、減少率を縮小した。また鉱工業生産については、2月は前月比で1.4%増と1月から持ち直した。

日本の経済状況は傾向的に弱くなっている

しかし輸出額前年比は、3カ月連続のマイナスであり、輸出額を財務省公表の季節調整値でみても、12月から1月にかけて落ち込んだ幅を、2月に戻っても若干ながら取り返していない。

また鉱工業生産も、1月に前月比で3.4%もの落ち込みをみせた分を、2月で埋め切れていないことになる。このように、日本の経済状況は、一本調子で悪くなり続けているわけではないが、上下動を繰り返しながら、傾向的には弱くなっていくようにも見受けられる。

こうした景気の弱さは、企業心理に影を落としているだろう。4月1日には、3月調査の日銀短観が発表された。企業の景況感を示す、業況判断DIがもちろん注目されたが、大企業製造業は昨年12月調査の19から12に、大企業非製造業は同じく24から21に、それぞれ悪化している。

ここで短観ベースでは初めて、2019年度の企業側の収益見通しが明らかになった。期初の会社計画は保守的になる傾向があるとはいえ、大企業全産業では、2018年度の経常利益見込みが1.4%減益であることに続き、2019年度も1.3%減益の予想で、企業から見た先行きは明るくない。

こうした日本経済についての「陰り」が、冒頭で述べたような、長期投資家の動きの鈍さや、3月に入っての株価の上値の重さに表れているのだろう。

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