上海株「日本のバブル崩壊前」と似る異常な特徴

時価総額ランキングを見れば「一目瞭然」だ

当時、日本の銀行と証券会社が世界の時価総額ランキングの上位をほぼ独占し、一世を風靡していた。しかし、ここで繰り返し説明する必要はないだろうが、バブル崩壊でこうした状況は長続きしなかった。

もともと、経営規模や自己資本規制などの関係もあって、銀行など金融株の時価総額が飛び抜けて大きいのはよく見られる現象だが、1980年代後半~1990年代前半までの日本、そして現在の中国の状況は明らかに類似しており、異常だと言わざるをえない。実体経済以上に金融経済が膨張している可能性があるからだ。

(出所)東京証券取引所、上海証券取引所 (注)現在のレートで、1元=約17円、上海は2月現在

危険水準に入った「マーシャルのk」

実際、GDP(国内総生産)に対してマネーサプライ(通貨供給量)が適正水準にあるかどうかを示す指標である「マーシャルのk(通貨供給量M2/名目GDP)」で見ると、ここ数年、中国は常に2を上回り、健全といわれる1をはるかに超えてしまう状態が続いている。

ちなみに、バブル最盛期の日本ですら、「マーシャルのk」はわずかに1を超えた程度だった。日本の経験からいえば、銀行株の時価総額がトップランキングをほぼ独占している現在の状況はバブル崩壊の前兆を現しているのかもしれない。中国に日本の轍を踏んでほしくはない。ただ最近、中国の指導者たちが口を揃えて金融リスクの防止を強調していることから、バブル崩壊を厳重に警戒しているのは確かだろう。

一方、直近の時価総額ランキングで銀行や保険、石油などを除く製造業の代表企業がどこかを見ると、東証はトヨタ自動車であるのに対し、上証は貴州茅台(マオタイ)酒になっている。

前者は世界を代表する自動車メーカーであるのに対し、後者は中国を代表する銘酒メーカーで、この組み合わせは不釣り合いに見える。中国を代表する上場企業が銘酒メーカーという現実をどう捉えればいいのか。この問題点が理解できれば、中国の証券市場が抱えている問題の根の深さも自然にわかってくるだろう。

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