上海株「日本のバブル崩壊前」と似る異常な特徴

時価総額ランキングを見れば「一目瞭然」だ

貴州茅台酒について、筆者はその奥深さを理解することができない。サラリーマンだった筆者は自腹で茅台酒を買う余裕もなく、接待を受けるチャンスにも恵まれなかったからだ。

しかし、汚職腐敗で摘発された高級幹部の豪邸からトラック1台分の茅台酒が押収されたといったニュースもあるほど、茅台酒は中国で最も有名で高価な酒であることは誰でも知っている常識だ。14億人の巨大マーケットで圧倒的な知名度を持つ貴州茅台酒が株式市場から絶大な信頼を受ける優良銘柄であることは当然の結果だ。

最近、茅台酒の業績発表で大幅な増収増益となったことを受け、世界を代表するアメリカ系証券会社は、茅台酒の目標株価を1000元に引き上げた。実現すれば、中国株で史上初めての1000元台の銘柄が誕生することになる。

問題は、茅台酒が中国の製造業の顔として時価総額上位にあることが、中国の投資家にとって本当に幸せなことかどうか?だ。その背景には、中国には着実に成長してくれる優良銘柄が乏しいため、投資家が消去法的に安全資産とされる茅台酒にしがみつくしかないという現実があるのではないか。

株式市場は中国経済の構造転換を促せない

また、前回のコラムでも言及したが、もう一つ大きな問題として、アリババやテンセントといった中国を代表するIT企業がニューヨークや香港に上場しており、中国の個人投資家はこうしたニューエコノミーの成長の恩恵を受けられないことが挙げられる。

両社の直近の時価総額を人民元に換算すると、アリババは3.1兆元、テンセントは3兆元に達しており、その合計額は上証のトップ10企業の合計に匹敵する。歴史にifはないが、仮にアリババとテンセントが最初から上海証券取引所に上場していたら、茅台酒はここまで投資家に重宝されることはなかっただろう。

金融と茅台酒が独占する上証の時価総額ランキングは、中国のオールドエコノミーの縮図そのもので、抜本的な構造改革が待ったなしといえる。かといって、今の上海証券市場は「too big to fail」(大きくて潰せない)で、株式市場には中国経済の構造転換を促す役割を期待できないのが実情だ。  

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