「風通し」がいい会社と悪い会社の根本的な差 「うちは風通しがいい」という会社ほど程遠い
上司のみが「うちは自由に発言できる」と思い込んでいるような職場は、往々にして会議でこそいろいろな意見が出ても、最終的には上司などが言いたいことを言い、押し切ってしまうものです。上司に限らず、我の強い人や言葉巧みな人が相手を論破して幅を利かせているような組織もあるかと思います。
でも、いい組織というのは、力のある人が、いつも声なき声を聞く努力をしている組織なのです。偉い人だけが「うちは自由だ」では、独裁国家と大差ありません。
なぜ話が通じないのか
少し話がそれますが、会議など議論の場で、言いたいことが伝わらない場合、上の人にのみ問題があるとは限りません。話す側に問題があることも珍しくないのです。そういう人のチェックすべき点についてもご説明しておきましょう。ポイントは2つあります。
1つは、話していることの「課題感」が皆とズレていないかです。
会議などでの議論では、文脈というものが存在しています。Aというテーマについて議論する会議であっても、(a)、(b)、(c)……と議題が次々変わっていくのは普通のことでしょう。(c)について皆が話しているときに、(a)について話せば、話が伝わらない可能性は当然高くなります。
実はこういう人は少なからず存在しています。本人の頭の中ではずっと(a)のことが引っかかっていたので、それを持ち出したのかもしれません。しかしほかの人たちにとっては唐突で、何が言いたいのかわからない、ということになります。
もしも自分が文脈をきちんと読めているかどうか不安なまま発言するときは、「このことについて話しますが、いいでしょうか」と断り、ほかの人と課題についての認識を共有するように心がけてください。
もう1つは、話の中身が論理的に構築されていないかです。こちらは論理的か否かというのは説明を要さないでしょう。論理的ではない話は、理解してもらえないリスクが高いのです。
そういう話し方が苦手だという人は、話したい内容を事前に整理して、順番を考えておく必要があります。同じ内容であっても、発言が許される時間の長さによって、変えるというのも1つのやり方です。
例えば発言時間が短いときには「結論→根拠→背景→方法」という具合に結論を先に言う順番がベストです。一方で、時間があって文脈を皆で共有したいときなどは、背景や根拠から先に述べていき、方法を解説し、結論を最後に述べるのも有効でしょう。