東大生ライターが教える「ダメな文章」の3特徴 「伝えたつもりで伝わらない」人はここが問題
さて、最後はこんな回答です。これも、僕の教え子が作ったものです。
どうでしょうか? はじめに簡単に結論を述べていますし、つながりもある程度見える文が並んでいるのですが、なんか変ですよね?
抽象的すぎる文章は伝わらない
僕は「この文章は、抽象的すぎる」と指摘しました。結論も論理もきちんとできるようになった後、最後に待っているのがこの落とし穴、「抽象的」なのです。
この文章、「人を信じる」というのが何を指すのかさっぱりわかりませんし、「信頼関係が築ける」とか「開く扉もある」とか書いてあって、なにが言いたいのかさっぱりわかりません。しかも、「あると思います」「増えているそうですが」とか、そういう曖昧な表現ばかりで、何一つ伝わってこないのです。
抽象的なことを言って誤魔化したり、曖昧な表現に逃げたりすることは人間の性です。ふわっとしたことのほうが書きやすいですし、なんだか自分も相手もわかったような気になることもあるでしょう。
しかし、真に必要なのは「抽象的な言葉に逃げない」ことです。僕も東大受験のときに、あまり理解できていないことをふわっとさせた回答を作ったことがあるのですが、見事にその科目の成績は低かったです。抽象的なことやふわっとしたことを言っても伝わらないし、また相手にも「本当にこいつわかってるのか?」と感じられてしまう。抽象的な言葉に逃げず、具体的な文章にする努力をするのです。
例えば、こんなふうに。
こっちのほうが、先ほどよりもわかりやすいですよね。
「信じる」を「人のアドバイスを受け入れる」と具体的に言い換えたり、自分の具体例を入れたりすることで、先ほどとは比べ物にならないほど何が言いたいのかわかりやすくなったと思います。
言葉を具体的にしたり、自分の具体例を言うほかに、「数字を入れる」というのも有効です。「30パーセントが……」とか「3つのポイントが……」とか、数字を引き合いに出すと、格段に説明が具体的になります。
いかがでしょうか? 「結論を短くまとめて先に言う」「結論と中身のつながりをしっかり考える」「中身が具体的になるように努力をする」。この3つを実践することで、「何が言いたいのかわからない」と言われない文章作りができるようになります。みなさんもぜひ、実践してみてください!
(よろしければ、この3つのポイントを踏まえたうえで「学んだことの中で、あなたが最も大切だと思うことは何か答えなさい」の回答を作って、東洋経済オンラインのコメント欄で教えてください!)
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